「どうして謝らないの?」人を苦しめるダメな詰め方をご存知ですか?

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この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しています。元となる参考文献は記事内に掲載しています。(ショートブログ除く)

悪い事をした、失敗をした。
なのに謝らない人を快くは思いませんよね。

ですが当事者にも謝らない理由が潜んでいる場合が多いです。

今回のお話は大人子供問わず生じる心理で、子育てにも役に立つ情報です。

単純に謝るのが気に食わないなどの自己中心的な場合もありますが、一定の配慮がされるべき過去をもっているからこそ謝らない・・のではなく、謝ったほうがいいのに謝れない場合も少なくありません。

「あの人ってさ、なんで謝らないのかな・・」
「自分が悪いんでしょ?なんで謝らないの?」

当事者でもそうでなくても、こんな経験がある方、側面だけを見て謝らない態度を否定するのは危険かもしれません。

また、謝れない自分を否定している方もいるかもしれません。
謝れない心理が配慮されるべき理由
も根拠付きで解説しますから「謝らない自分はズレてて問題児だ・・」などの自分をさげすむ行為は今日からしなくていいですよ。

先にお伝えしておきますが、言う側の気持ちもわかります。
それに、グレーではなくアウトな事や、倫理的にあってはならない事を犯した場合、謝っても追撃されるのは当然です。

謝ると追撃されそう エビデンスレベル2

謝るのが怖いんです。

それは甘えでもなんでもなく「謝るとさらに攻撃されるかもしれない・・」と感じ、自分の身を守るために謝らないという行動を取ってしまうんです。

「え、攻撃?何の話をしてるの?攻撃じゃなくて指摘だよ?」

それは主観です。
「攻撃されている!」と感じすぎるのも主観ですが「指摘を攻撃と捉えられても困る」というのも主観です。

「ほんとに攻撃じゃないんだけどなぁ・・なんでそうなっちゃったんだろう?」

答えは単純です。
過去のトラウマによるものです。

こんな言葉を聞いたことがあると思います。

「謝るぐらいなら最初からやるな」
「結局謝ることになるんだからさ、なんで考えなかった?」
「謝って済む問題じゃない」
「謝っても許さないよ?」

これらの言葉を、謝っているのに受ける度、行き場がない気持ちになり、相手の感情が収まるまで何もできない状態。
例えると、気持ちが牢屋に入れられている状態です。

これを何度も受ければトラウマの完成です。

こんな過去があるかもしれません。

①善悪の判断がわからない幼少期に詰められまくった経験がある

②上下関係が出来上がっている中で上から詰められまくった

③指摘+暴力などの罰がセットとなって何度も受ける経験があった

挙げだせばきりがありませんが、無力な時代に脅迫混じりな詰められ経験があると、指摘攻撃として学習する傾向があり、どんな相手からの指摘でも過剰な防衛反応を起こすことがあります。

それが人によっては謝るべきなのに謝れないといった形で現れる事があるんです。

詰められまくる経験が、無意識に【謝罪=服従→搾取される→危険】という構図を心が作ってしまい、結果として「謝るくらいなら沈黙する・逃げる・怒る」といった反応になる事があります。

本来なら『悪い事をした・誰かに迷惑をかけた』なら謝罪をし、次につながる考え方を編み出せるのですが、過去の行き過ぎた追い込まれ経験によって、指摘から逃げて身を守るという生存本能が優先されてしまうわけです。

まとめると、過去がフラッシュバックして謝ることが怖くなるんです。

発達性トラウマ
幼少期に慢性的心理的圧迫恐怖体験(感情的虐待、過干渉、暴力など)を受けると、脳の自己防衛回路(扁桃体・前頭前野)が過敏になり対人関係の緊張・批判に過剰反応を示すようになる。

Bessel van der Kolk (2014). The Body Keeps the Score

学習性無力感
どれだけ努力しても罰せられる・責められる経験を繰り返すと「何をしても無駄だ」と感じ、謝罪のような行動も無力に思えて避ける傾向が生まれる。

その結果「謝っても許してもらえない」「謝っても怒られる」という経験が学習性無力感を強化します。

Martin Seligman(1967)

シャイム・スクリプト
強い恥の体験が蓄積されると「謝罪=恥の再体験」と学習し、それを避ける行動パターン(スクリプト)が形成されます。


これが「謝罪=服従→搾取される」という心のスクリプトに繋がります。

Donald Nathanson(1992)

複雑性PTSD (C-PTSD: Complex Post-Traumatic Stress Disorder)
職場での継続的ストレス・威圧的指導・人格否定などで、トラウマ反応が慢性化。

これにより、謝罪の場面で「過去の詰められ体験」がフラッシュバックし、謝れなくなる事があります。

WHOのICD-11でもC-PTSDは正式に分類されています。

さらにこの現象、HSPやCPTSDのある人に非常に多く見られるパターンと言われています。

まとめ

謝れない自分を責めている方、今回の話が当てはまってはいなかったでしょうか。

家族を含む他者に、過度な追撃や押さえつける発言を繰り返してはいないでしょうか。
長期的に見ると信頼関係を築けなくなりためをおもった叱りの一部だとしても予期しない届き方を起こす可能性が高いです。

第三者視点で「そこまで詰めなくてよくない・・?」と感じる言動があれば、とどめておくことをお勧めします。
また、人からの指摘が怖い方は「自分だったらそこまで詰めないよ・・・」と思うような言われ方をされた経験があるかもしれません。

「悪い事をしたから言われるんだぞ」

という言葉は一見正しいように思えますが、言い方や接し方を考慮していなければ、言えば良いわけではないという真実をガン無視している可能性があります。

今回はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

『身体はトラウマを記録する』 Bessel van der Kolk

『オプティミストはなぜ成功するか』 マーティン・セリグマン

『アダルト・チルドレン 癒されぬ傷と生きる』 西尾和美

『複雑性PTSDと愛着トラウマ』 岡田尊司

『繊細さんの本』 武田友紀

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