今回は、子育てをされている方々にも使えるお話かもしれません。
「悪い事をしたらちゃんと謝るんだぞ」
「謝らないから余計に怒られる」
「謝ったほうが早く解決するんだよ」
さて、どれも正論ですよね。
皆さんも使ったことがある・聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかしそんな中、謝れない人もいます。
今回はその心理を探っていきましょう。
プライドが許さない エビデンスレベル3
よく聞きますよね。
プライドが邪魔をして謝れない。
それに、こんな言葉も聞いたことがないでしょうか。
「悪いとはわかってるんだけどね、プライドがね・・」
これは私の偏見ですが、謝れない人の年齢が高いほど、この傾向を見聞きする頻度が高い気がします。
ですがこれ、本当に偏見でしょうか?
認める=負けを認めたような気持ちになる
謝るというのは
「自分よりも相手が正しい」
「自分にも理解の余地はあれど最終的には相手が正しい」
と論理上は相手が正しく、自分が正しくない事実を認める事を意味します。
非を認めるわけですからね。
そこでプライドが邪魔をするというのは、相手が正しい云々よりも自分が正しくない事実を認めたくない。
つまり、自分の行いが間違っていることを認めて自分の器を下げたくないという心理があると言えます。
我儘かどうか
「それはただの我儘だよね。悪いものは悪いでしょ」
表面的に見ればそうです。
ケースが多岐にわたるのは事実ですが、一般的にはそんな事は許されない事のほうが多いでしょう。
特に、悪い事をして相手に迷惑をかけた・傷つけたのにプライドが邪魔をして謝らないなんていうのは我儘ですよね。
不正をしたのに謝らずに逃げる行為も「プライドの裏にある背景を考慮してくれよ!」と反論したところで誠意を見せない時点で大体は同情の余地も持たれません。
謝るという行為は誠意を見せる行動でもあります。
ですがそれでもプライドが邪魔をする背景ではこんなことがわかっています。
- 「謝罪=弱さ」な考えの家庭で育った(亭主関白な所はこの傾向があるかもしれません)
- 謝る事が自分の価値や立場が下がると思っている
- 謝罪が自己肯定感を下げ、自分が壊れそうになるきっかけになりえる
順番に科学的根拠を提示します。
「安全な養育への権利」に関する研究では、暴力的・支配的家庭が子どもの感情表現と謝罪行動に及ぼす影響に注目しています。
中川友生 (2019)
齊藤勇 (2013)『職場の心理学』
自己肯定感が低いと、謝罪を「自己否定の証明」と受け止めてしまう傾向があると述べています。
『自己価値感の心理学』にて、謝罪が自己の価値に対する脅威として捉えられるプロセスが存在します。
根本橘夫 (2007)『なぜ自信が持てないのか』
特に常に責められていた過去がある人にとっては、謝る事がまた支配されてしまう・・という感覚を強めてしまうようです。
「母と娘の関係性」研究では、過去に心理的に支配的な親からの否定を繰り返し受けた人が、謝罪に対してトラウマ的反応を示す傾向があると述べています。
國吉知子 (2015)
幼少期の社会情動的発達に関する研究
久保ゆかり (2005)
4歳児でさえ謝罪行動と「プライドの保持」の間に揺れがあることを示しています。

これ、そのまま過去の私です。
負けを認めたくないから謝らないのではなく、謝ってしまうと「『あ、こいつざっこ』みたいに思われるのでは・・」という恐れを感じる時が多々あるため、謝らない事がありました。
それにより、軽んじられたり尊重されなかったりする未来を回避したいがために、謝ったほうが良い場面でも向き合わない事がありました。
思い返せば幼少期のころの環境が該当していると思います。
「だからお前は謝るしかできないんだよ」と、常に罵られ圧力をかけられていました。
「次謝るたびに、これしろ、あれしろ、謝るような事が起これば言われて当然だからな?甘やかさないぞ?怒鳴られたくなければ謝るようなことするな」こんな育ち方をすれば謝ることを恐れるのも無理ないでしょう。
よって、毒親環境で育った方が謝れない性格に育ってしまうことは科学的に見ても正しいと言えます。
まとめ
謝るべきタイミングで謝らない人を見ると、何も知らない人からすればイライラするでしょう。
しかしその裏にはいくつかの背景があり、今回はその中でもプライドについて解説しました。
プライドを言い訳に許されるべきでない事態はさておき、プライドが邪魔をして謝れない心理にはもしかしたら複雑な過去があるかもしれません。
謝罪しない事を赦さない方、この記事が新たな知見の獲得となってくだされば幸いです。
また、今現在この傾向があって奮闘中の方
謝ったほうが絶対お得です。
謝ることであなたを見下したり支配するような人は価値の高い人間ではありません。
あなたが好かれたい相手は、謝る事で誠意を見せる方が喜ぶかもしれません
謝る行為は、相手がどう出てくるかをチェックするツールでもあります
逃げたほうが良い環境だとわかった方、億劫だとは思いますが環境の変更をおすすめします。
そして、加害者側として該当しかねない方、私の記事から知ることに嫌悪を覚えるかもしれませんが、取り返しのつかない未来が来る前に今日が気づきとなってくだされば幸いです。
今回のショートブログはここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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