このブログは3日に1記事投稿でお届けします。
※著者は資格者ではありませんので、お読みいただいて効果を保証するものではございません。
こんにちは、矢沙玖です。
突然ですが質問です。
「今日なにしたっけ?何かしたっけ?考え事だけして1日終わったような・・・」
「考えただけで答えも出なかったし、虚しい日になったなぁ・・」
こんな経験はないでしょうか。
実はこれ、あなたが一生懸命に向き合おうとしている証拠です。
と言われてもピンと来ないかもしれません。
今回はこの根拠をお伝えし、考え込む性格のあなたを肯定してみせます。
考えるだけで疲れ、その日一日何もしたくなくなるのは普通なんですよ。
なぜもやもやするだけで疲れてしまうのか?
悩みや不安を抱えると、脳は過剰に働きます。
考え込むと、頭の中が疲れたり熱を感じたりする事がありますよね。あれです。
ここにルミネーションという概念が関わってきます。
ルミネーションとは
これは、ネガティブな悩みを繰り返し考えてしまう事とその結果起こる状態を言います。
1回考え込んだだけでは落ち着かず、明日も明後日も同じことを考え込んで疲れる現象がこれにあたります。
頭を使いすぎて疲れると体全体が重くなったり、疲労感を抱くことはありませんか?
「何もせず考えてただけなのに体がだるい。調子悪いのかな?もしかして歳のせい?」
これ、勘違いです。
ルミネーションを大まかに説明して次に進みましょう
ルミネーション(Rumination)
過去の出来事やネガティブな感情、考えに繰り返し注意を向けることを指します。
特に、ストレスや悲しみ、不安に対する執着的な考えが続く状態で、結果として問題解決ができずにさらにストレスが増す傾向があります。
ルミネーションの特徴
- 反復的かつ自動的なネガティブ思考のサイクル
- 自己批判や後悔、何度も同じ問題について考え続ける
- 解決策を見つけられないため、ストレスが増幅する
反芻思考とは似ていますが違います。
この結果、脳がずっとフル回転することが継続されて疲れ果ててしまうんですね。
先述した認知的負荷です。
ネガティブ思考がグルグル回ってストレスも増えて疲れ果てる。
最悪ですが本当によくある話ですよね。
これを自己否定するのは自分にとどめを刺そうとしているようなものです。
「疲れて当たり前なんだ」という事がわかったら今日から自分に優しくしましょう。
また、あなたの周りにもこんな方がいらっしゃれば「一生懸命考えているから疲れたんだよ」と、考えるだけで何もしなかった人へ責めない気持ちをもってあげてくださいね。
ルミネーションの体験談
ではどんなものがルミネーションにあたるのか?
私の体験談を開示します。もしかしたら共感くださる方もいるかもしれませんね。
- 理不尽な目にあった。
- 法的にグレーな事をされた。
- 自分の発言で相手の表情が険しくなった気がする。
- 挨拶がそっけなかった気がする。
- 皆の反応がなんとなく違和感。
これらの事が起きた時
- あの時どうすれば良かったのか?そもそも自分に問題があったのか?
- 相手はこれ法律に触れてるんじゃないのか?
- 調子に乗りすぎてたかな?
- そもそもから辿って、あの時あれはだって・・・
- いやでも確かに相手はこうしてたし・・・
このような思考のループがルミネーションにあたります。
「そんなの気にしなくていいじゃん!」
それができたら苦労しません。他者からみて些細な事でも本人にとっては大きな問題であることが多く、ここまでループする時点で心にダメージを受けていることは明白です。
むしろここをしっかり考えて答えを見つけようとする事が、問題解決能力につながる場数の一部でもあります。思考停止で自分の考えに固執し、問題を流してしまうよりよほどいいですよ。
ただ、あらゆる学習を経た人にとっては「気にしなくていい」というレベルに達していることもありますので、無下にせず尊敬できる相手なら話を聞くこともポイントです。
そして当たり前ですが、考え込んだ結果でた結論が失敗でも問題ありません。
失敗という結果を出せた時点で歩んだ証であり成長で、どうなったら失敗するのかを学べたという点で長期的に見て成功です。特に現代人は私も含め、失敗を拒否拒絶しすぎです。
考え続けるあなたは一生懸命
重要なのは考え続けること自体が、問題解決に向き合っている証拠だと自覚することです。
脳は何とかして状況を良くするためにグルグル働いているんですよ。
答えが出るかどうかですぐに答えが出るほど簡単な事ならそもそもハマりません。
きちんと考えこめる自分に対し自己否定する事は「すぐに答えを出しなさい」「疲れるのはおかしい」と言っているのと同義で、もはや無茶を押し付けるパワハラです。
「自分は一生懸命頑張っているんだ」と自分を理解してあげてください。
思考を整理するために
さて、自分を責める必要がないとわかっても、もやもやするのは嫌ですよね?
そこで、もやもやしている状態を軽くしたり、抱えている問題と向き合いやすくする方法をお伝えしていきます。
ジャーナリング(書き出し)
悩んでいる事や考えている事を紙に書き出すことで、頭の中を整理し、脳の負荷の軽減が期待できます。
書くことで自分の思考を客観的に見ることができ、疲れを軽減できる効果もあります。
- どんな事があったのか →例 (知らない子供が踊っていた
- どんな感情を抱いているのか (不気味だった
- どの部分が気になるのか (あんな場所で一人で踊っていたから
- それはなぜか (自分も周りもそんな経験ないから
- どうなったら気にしないのか (子供が踊らなければいい
- 自分が無理なくできることは何か (もうあの場所には近づかない
- 自分ではどうしようもない点は何か(子供を止めること
これだけでいいです。
これ全部を書かなくてもいいです。
書き始めたら止まらなくなっていくこともあるので、自分がどんな考えのもとでモヤモヤしているのか。が見えてきて自己理解に繋がります。
忘れようとしない
結論、忘れようとしてもしばらくは無理です。
知っている方もいるかもしれません。
頭の中に「白熊」を10秒ほどイメージしてください。
次に、その白熊を頭の中から消し去ってください。
できないはずです。
これは、心理学者のウェグナーさんが行った実験で「白熊の実験」と調べると出てきます。
忘れようとするほど忘れられず、むしろ定着してしまうことを意味します。
解決へ近づくには、頭の中に悩みがあることを許し整頓して、私は「悩みを1つ、2つ、複数持っている」という自覚状態に運び、できることから少しだけやってみる。でいいんです。
瞑想
呼吸に意識を集中させ、ルミネーションを止めることができます。
瞑想は呼吸に集中するだけで効果を得られます。
ループ思考に陥っている状態のところ、集中する点を思考から呼吸に変えるので離れることができるんです。
また、瞑想をすることで「あ、自分は今ループしてたな・・」と客観視をすることもできて、落ち着きを取り戻せます。
こうすることで、ループした状態を消そうとするのではなく「そっかそっか、解決に今自分は必死なんだな」と受け止めることも可能です。
悩むことは悪くない事と知る
悩みやすい性格や、常に物事を考えすぎてしまう人ほど、自分を責めてしまうことがありますが、実は人生に一生懸命な証拠です。ゆえに、鬱は武器です。
ほんとはこうしたいという希望がはっきりしているから発症するんです。
自分が幸せに生きる上で気になるから考え、悩み、そのループにはまるだけです。
人生をよりよくしようと、嫌な人生を改善しようと、心は思っているから考えるんです。
嫌なことから逃げたいとか、嫌だから改善したい、は生存本能であり生存欲求でもあり、問題解決能力を鍛えているわけでもあります。
嫌だから駄々こねて問題を放り出して何かが解決してくれるのを待つのは成熟しているとは言い難いですが、嫌だからこそ考えて答えを必死に探して行動につなげようとしているのは成熟している証拠です。
ポジティブな側面がある事を忘れないでください。
おわりに
いかがでしたか?
思考のループで疲れる日々、決して無駄ではありません。
脳が頑張ってフル回転しているんですから疲れて当然です。
モヤモヤは成長材料です。成長のために疲れるのなら本望ではないでしょうか。
何もせず考えるだけの自分を責める事がいかに間違いだという事、自分が一生懸命に物事と向き合っている証拠だという事が伝わったでしょうか。
ちょっと考えてすぐ行動に繋げられるほど、人の悩みは単純ではないんです。
さて、今回はここまでになります。最後まで読んでいただきありがとうございました
今回取り上げた科学的根拠
認知的負荷
高度な思考作業はエネルギーを多く消費するため、脳が過度に働くと疲れを感じやすくなります。
長時間の集中や考え込みは、精神的な疲労を引き起こす要因になります。
『ストレス脳』(アンデシュ・ハンセン)
ルミネーション
悩みを繰り返し考えることがストレスの増大やうつ症状の悪化を招くことが知られています。研究では、ルミネーションを抑えることで心理的な負担が軽減されることが示されています。
『精神科医が見つけた3つの幸福』(樺沢紫苑)
マインドフルネス
マインドフルネス瞑想がストレス軽減に効果があることは多くの研究で証明されています。
思考をリセットすることで、脳に休息を与えることができます。
『スタンフォード大学マインドフルネス教室』(スティーブン・マーフィ重松)
『反応しない練習』(草薙龍瞬)