【選択肢過多】「やることはある。でもそれを考えてるだけで行動できない」それ、タスクオーバーではないですか?

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※当ブログは医療行為を意図するものではありません。エビデンスレベルの高さは治療効果や改善を保証するものではないため、身体に異変を感じている場合は必ず医師にご相談ください。

皆さんは、日々どれだけやる事を抱えていますか?

それをきちんと整頓して順序立ててできていますか?

突発的なタスクが生じても上手に対処できますか?

毎回確実に処理できていますか?

私も含め多くの人が

「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、あれ忘れてた、もしかするとこれもやらなきゃじゃないか?あーでもあっちの方がいいな・・」

と、やる事が頭の中でグルグルする事があるでしょう。

その結果、考えるだけで膨大な時間を使う事があり、気が付いたらご飯の時間、満腹休憩、お風呂、明日の用意、今日は遅いからもう寝よう。と、何も進まない事も少なくないでしょう。

このように、やる事があるのに行動できない事ってありますよね。

「いやー・・自分の場合はさ、やる事が大体決まってるんだよ?それ以外のタスクは無駄な事ってわかってる。そこまでハッキリしてるのにやらないんだよなぁ・・」

ご安心ください、それも今回のお話にしっかり当てはまります。

選択肢過多の観点から、あなたが動かないのではなく、動けない状況になっているという視点で解説し、思考を整頓する方法をお届けします。

①やるべき事を選びきれない【選択肢過多】 エビデンスレベル2

具体例から挙げてみましょう。

・病院に行かなくちゃ
・お金おろさなきゃ
・買い物行かなきゃ
・勉強もしなきゃ
・CD返しに行かなきゃ
・お金の計算しなきゃ
・転職先みつけなきゃ
・Youtube見たい
・インスタ開きたい
・体なまってるから散歩しなきゃ
・でも今暑い・寒い

これぐらい日々のタスク抱えているなんてのはザラだと思います。

このリストを見た時、自分事じゃない皆さんなら

「今日休みなの?休みなら一気に全部やっちゃおうよ」
「一日に全部片づけなくても三日に分ければいいんじゃない?」
「天候が都合いい時にやろうよ」
「すぐやらなきゃいけない大事な事ぐらいはすぐやろうぜ」

と、感じるでしょう。
中には、タスクに囲まれて大変な思いをしているのに他人事なアドバイスを受けてムッとした経験がある方もいるでしょう。

本人からすれば、頭ではわかっているし、何をやるか決めたい気持ちは山々だけど色々な感情が邪魔して選択すらできないんです。

実はこの現象を選択肢過多と言います。
そしてその選択肢過多が起こる理由に、比較によっておこる疲れや、最適な選択をしたいという欲求決めること自体から逃げたいなどの心理が隠れているというものがあります。

自我消耗理論
意思決定を繰り返す精神的エネルギーが減り、判断力が低下すると示されています。

Baumeister et al. (1998)

ジャムの研究
ジャムを選んでもらい、買ってもらうという実験です。

ジャムが24種類ある時より、6種類しか種類が無い時の方が購買率が高かった結果が出ています。
これは
選択肢が多すぎることで比較作業が増え、認知的疲労をもたらすことを示しています。

選択肢の比較が多いほど「決定疲れ」が強まり、選べなくなってしまう現象こそが、選択肢過多の根拠となります。

Iyengar & Lepper (2000, Journal of Personality and Social Psychology)

決断回避
人は難しい選択に直面すると、先延ばし・デフォルト選択・選択放棄といった手段を選びがちだという事が示されました。
これは「誤った決定への恐れ」「後悔の回避」「責任回避」に起因すると考えられています。

このような「決めること自体から逃げたい」という現象は 科学的に【決断回避】として定義されています。

Anderson (2003, Journal of Personality and Social Psychology)

②選択肢過多から抜け出す方法 エビデンスレベル2

「そうか、自分は今タスクが多すぎるからやる気でないんだ。脳の仕組み上普通なのか!じゃあ問題ナッシング!よし脳の気の向くままにだらけよー」

とはなりませんよね?

やる気が出ない理由を自分の怠惰だとして無理に喝を入れようとしところに、脳の仕組み上仕方のない事なんだという知識を得るのは大切ですが、そのまま放っておいてはあらゆるタスクの期限が迫って、タスクによる挟み撃ちになりサンドイッチ状態どころかプレス寸前になる事実は変わりません。

そこで、感情をガン無視してやみくもにタスクに取り掛かるよりも、多すぎるタスクの整頓をすると驚くほど簡単に行動の優先順位がつき、迷って動けない・決めれない状態を緩和する事ができます。

①タスクの振り分け方(カテゴリー選定)

先ほどのタスク例を引用しましょう。

・病院に行かなくちゃ
・お金おろさなきゃ
・買い物行かなきゃ
・勉強もしなきゃ
・CD返しに行かなきゃ
・お金の計算しなきゃ
・転職先みつけなきゃ
・Youtube見たい
・インスタ開きたい
・体なまってるから散歩しなきゃ
・でも今暑い・寒い

これ、カテゴリーをいくつかに分ける事ができると言われてわかるでしょうか。
こうなります。

・病院に行かなくちゃ→生活
・お金おろさなきゃ→生活
・買い物行かなきゃ→生活
・勉強もしなきゃ→学業・仕事
・CD返しに行かなきゃ→生活
・お金の計算しなきゃ→生活
・転職先みつけなきゃ→学業・仕事
・Youtube見たい→趣味
・インスタ開きたい→趣味
・体なまってるから散歩しなきゃ→生活
・でも今暑い・寒い→感情

「あー・・なるほどね、趣味なんて後回しにしろ、我慢しろ、やってからにしろって事でしょ。うぜぇ・・」

私はそんな共感性のない正論マンと同じ助言はしません。
むしろ激甘思考をお勧めしています。

趣味をしっかり挟まない生活は、はじめのうちは順調にタスクがこなせることもありますが、燃え尽きの原因となったり、人生の楽しさを削られている(短期的快楽皆無)に気付いて馬鹿馬鹿しくなるリスクがあります。

そうならないためにも、すべてのタスクをバランスよく1日や1週間に組み込む必要があります。

まずは、思考をぐるぐるしている大量のタスクをカテゴリー分けします。

②タスクの振り分け方(緊急性と重要性)

聞いたことがあるかもしれませんね。

残酷ですが人は意識しないと重要でもない事を緊急に置いたり、外から見れば緊急でもないのに緊急だと思い込んだりしてしまい、本当に重要な事をどんどん後回しにした結果、日常を中身のない時間として浪費してしまいます。私も精神病と闘病とはいえ中身のない時間を8年も過ごしてしまいました。今では意味のあったものにしようと頑張っている最中です。

「緊急とか重要とかさ、わかんないよ。本人からしたら全部重要だし緊急だよ?」

そんな時はぜひ紙やメモアプリなどで可視化をおすすめします。

「それでも変わらないと思うけどなぁ」

可視化する事で、どれだけ重要なのかなぜタスクとして上がってくるのか自然と思考がよぎります。
「なんでこれがタスクなの?」「なぜなら今こういう状況で・・」「だからこれは今すぐ必要なんだ」
と、勝手に思考するのでそれを狙うんです。

試しに、先ほどの例の「病院に行かなきゃ」「お金をおろさなきゃ」で見てみましょう。

例えば、薬が残っているし症状も軽くなってきているのなら、病院に行くことは重要ですが緊急ではないですよね。
ところが、慢性的な疾患で継続的な投薬が必要な場合は、直近で薬が無くなってしまうのなら病院に行くのは緊急かつ重要です。

お金をおろす例でも、明日でも今日でもどっちでもいいのなら緊急ではありませんよね。

転職先を探す場合では、例えば失業手当がもらえる期間が終わりに近づいているなら緊急かつ重要です。
趣味をしたい場合では、タスクで圧迫してストレスがたまっていたり、個人の中で頑張りすぎ感があってイライラしやすくなっているのなら趣味は重要な部類になります。

こうして書き出して思考を整理し、迷わずタスクに取り掛かるためのテクニックをジャーナリングと言います。

ここまで来たらさらに可視化を深め、いつ見返しても迷いを解決できる優先度表に変えてしまいましょう。

タスクの振り分け方(タスク表の作り方)

生活とか学業とかいくつかのカテゴリーに分けたとはいえ、結局それがぐちゃぐちゃだったら頭の中だけで考えるのと大差ありません。

すっきりとした行動計画という形をぜひ作ってみてください。

例をお伝えします。

まずはカテゴリーで区分けし、その中で、緊急+重要・緊急・重要の3つに分け、リスト化します。マインドマイスターなどの思考整理ツールがお勧めです。

生活

緊急+重要
・病院に行く(薬が無くなりそう)
・お金をおろす(冷蔵庫の中が減ってきており、買い物のためにお金が必要)

緊急
・お金の計算(家族から今いくら余裕があるか理由もなく聞かれてて催促されてる。)

重要
・買い物に行く(冷蔵庫の中が寂しくなってきた)

緊急
・勉強する(来週テストがある)

重要
・資格の勉強する(いずれ就きたい仕事がある)

趣味

緊急
・アプリのイベントが明日で終わるからやり込みたい

重要
・Youtube見たい(最近娯楽をしてなくてストレスで買い食いが増えた)

感情

この場合の緊急や重要はつけづらいですが、例えば
「暑すぎると病気に悪い」だとか「今日は40度を超える酷暑」だったり「寒い日に出かけると鼻炎の都合上、鼻が一日中大変なことになる」という場合は、健康面で見て天候を選ぶ優先度が上がりますよね。

これはあくまでも例であり、例に対し私の個人的な考え方のもとで優先度をジャッジしたものです。
皆さん自身が判断したもので構いませんし、カテゴリーも生活・学・趣味という分け方でなくても問題ありません。

そして何より、緊急と重要の判断が正確ならそれに越したことはありませんが、そこを考えすぎたら意味が無いので、この部分はある程度の直感で構いません。

あくまでも、頭の中をグルグルしているタスクを整頓し、自分が今取り掛かる事を迷わないためのリストにしてしまう事が目的です。

では、ここまでの方法が有効な理由と、このリスト化がどれだけ役に立つかをお伝えしてまとめに入ります。

ジャーナリング(書き出すこと)の効果
①表現的ライティング研究で、書き出すことで認知的整理が促されストレスや混乱が軽減されることが報告されています。
②ジャーナリングはワーキングメモリの負荷を下げ、実際の遂行機能を改善すると実証しています。

このことから、書き出すことで「頭の中のモヤ」が減ることは科学的に裏付けがあると言えます。

Pennebaker (1997, Journal of Clinical Psychology)
Klein & Boals (2001)

カテゴリー分け&緊急性・重要性
①実際に【緊急度と重要度のマトリクス】という有名な方法が存在しています。
②研究で、タスクを分類し優先順位をつけることが時間管理スキル・ストレス低下・パフォーマンス向上有効だと示されています。

よって、散らかったタスクをカテゴリーごとに整理することは、実証研究でも効果があるとされています。

Covey (1989, The 7 Habits of Highly Effective People)
Macan (1994, Journal of Applied Psychology)

リスト化・可視化の効果
①研究によると、未完了タスクを紙に書き出す(リスト化する)ことで【ツァイガルニク効果】という『未完了課題が頭に残る現象』が緩和され、認知的リソースが解放されることが示されています。
②別の研究でも、タスクの可視化と整理注意の分散を減らし集中を回復させることが確認されています。

リスト化することで「やらなきゃ感」からの解放行動への着手容易化が科学的に証明されています。

Masicampo & Baumeister (2011, Journal of Personality and Social Psychology)
Sophie Leroy (2009) 「Attention Residue」

リスト化の効果の期待値
①リスト化した人は未完了タスクへの思考侵入が減り次の作業パフォーマンスが向上しました。
②大学生・社会人の調査で、タスク管理スキルが高い人時間の使い方・ストレス耐性・成績・仕事の成果において有意な数字が出ています。
応用研究にて、緊急性と重要性のマトリクスの使用は意思決定のスピードと満足度を改善する事が確認されました。

これらから、リスト化+優先順位づけは、実際にストレス低減・生産性向上・集中改善をもたらすと科学的な根拠があると言えます。

Masicampo & Baumeister (2011)
Macan (1994)
(Aeon & Aguinis, 2017, Industrial and Organizational Psychology

まとめ

現代はやる事が多すぎます。
情報も溢れまくってます。

その中で、きちんとタスクに取り掛かれる人とそうでない人がいますが、皆さんはどちらでしょうか。

タスクに取り掛かれない理由の一つとして、タスクが多すぎる事による選択肢過多が起きているかもしれません。

そんな時、抱えているタスクを整頓すると驚くほどタスクに取り掛かれるようになり、グルグルした感覚が和らぎ、集中して向き合うことができるかもしれません。

もちろん、書いたからリスト化したからといって解決するわけではありません。
感情の問題や体調の問題、環境要因など、物事がうまくいかない要因はいくつも存在します。

ですが、思考停止で自分怠けていると誤認するよりも、可能性の一つとして選択肢過多を疑い、うまくいくかもしれない方法の一つとしてジャーナリング&タスクのリスト化を試してみてはいかがでしょうか。

それでは今回はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

『選択の科学 ― 自由が幸福を妨げる』シーナ・アイエンガー

『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー

『WILLPOWER 意志力の科学』ロイ・バウマイスター & ジョン・ティアニー

『ストレスフリーの整理術 ― GTD』デイヴィッド・アレン

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