趣味やゲーム、仕事など、何かに熱中していると「あと少し!」「今いいところだから!」「まだ辞めたくない、寝たくない、お風呂行きたくない」こんな経験ありますよね。
睡眠キャンセル、風呂キャンセルといった言葉が生まれるほどです。
このように休憩という心身を休ませる行為を先延ばししてしまいがちです。
私も例外なくその一人です。
夢中な状態を続けて成果が出れば良いですが、うまくいかないと「あー疲れた。もう無理」と疲労感でいっぱいになり、燃え尽きのような状態になることはよくあります。
休む事を軽視される場面 エビデンスレベル2
例えば、頑張りすぎてしまう人ほど休むことをしなかったり先延ばしがちで、適切なタイミングで休もうとしません。
そのため適切でないタイミングで休憩を取ることになり
「別に休憩いらなくない?休憩してる暇ないし」
と、錯覚します。こうして休むことは次第に軽く見られていきます。
他にも休まない理由にこのような背景があります
「今周りの人たちは頑張ってるし」
「自分遅れてるし」
「別に疲れてないし」
これらの表面的な理由で休まない事は非常に危険です。
「今周りの人たちは頑張ってるし」
目に見えないところで休憩をしていたり、コンディションが良かったり、そもそもの体力が違うかもしれないのに無理に合わせるのは危険です。そもそも普段の食事や睡眠時間すら違うかもしれませんよ。
「自分遅れてるし」
遅れているならなおさら休むべきです。適度な休憩はパフォーマンスを向上させます。
また、周りと比べて自分はこの仕事に慣れているか?そもそも自分に適正なのか?という問題もあるため、周りと比べて休む事を判断するのは危険と言えます。
「別に疲れてないし」
疲れを感じてからでは遅いです。
疲れというわかりやすい状態は「休みなさい」と体が警告しているようなものです。
心身に大きな負荷がかかったから警告が出るんです。
さて、ここまで語る私も休むことを厳かにした経験がいくつもあり、今も休みを蔑ろにすることはあります。
エピソード例:筆者の経験
昔だと動画視聴やネットゲーム。今だとこのブログ活動。
これらに熱中して休憩を先延ばしし「ここまでやれば休める」「これを見たら休憩」と思っても、結局満足する成果が出ないと「成果が出るまではまだやる」「物語が面白くなったからこの話が終わるまで」と勝手に先延ばしてしまい、疲れ果ててしまうことが何度もありました。
この状態が続いたら、次何かやる時が来ても向き合う気力さえなくなっていて、いわゆる燃え尽きになっていました。
疲れを無視することのリスク エビデンスレベル2
冒頭で触れた睡眠キャンセルや風呂キャンセルは疲れを無視する行為です。
仕事や対人で疲れてクタクタになったからSNSやスマホ、ゲーム、テレビに没頭して発散したい気持ちは痛いほどわかりますが、クタクタになっているのに休むことをキャンセルしたり休憩を削って発散を優先すると、心身は内側から壊れていき、最悪の場合は鬱状態を引き起こしたり深めたりしてしまいます。
燃え尽き症候群の危険性
頑張りすぎは心身のバランスが崩れ、やる気を失ったり、体調を崩すリスクが高まります。
クタクタの後に休まずに発散することも心身の酷使にあたるため、感情は楽しいかもしれませんが疲労は蓄積されていきます。
長時間の集中は脳に過剰な負担をかけ、疲労物質が蓄積される事がわかっています。
「休日寝まくって休めばいいし」
これでは疲れがとり切れない可能性もあり、休日後の仕事や対人をさらに億劫にさせます。
また、寝貯めという行為は睡眠バランスに悪影響し、逆効果だという事もわかっています。
パフォーマンス低下の悪循環
疲れを感じながら作業を続けても思考力や集中力が落ち、結果的にミスや効率低下を招きます。周りから効率!と言われて効率が出ないならまだしも、自分で効率を出したいと思ったタイミングで効率が出せないのはめちゃくちゃストレスですよね。
娯楽でも同じで、例えば対戦ゲームにはまり込んだ経験がある方ならわかるかもしれません。
ずっと遊んでると変なミスが多発したり、ワンパターンになりがちで負けまくるあれのことです。
ここで休憩せずに無理を重ねてしまえば、長期的には回復力が落ち、体が壊れる原因になってしまいます。
人間の集中力は最大で90分程度が限界と言われています。
私は本当に好きな事なら何時間だってできてしまうと思っていましたが、途中で疲れを感じたり、伸びをしたくなったりする事を思うと確かに90分前後かもしれません。
効果的な休み方 エビデンスレベル2
ポモドーロ・テクニック
25分頑張ったら5分休むというやり方です。この5分休憩でスマホを触るとかはしないでください。
5分間休憩のルール
- モニターを見ない
- 作業の事を考えない
- 可能なら何も考えず楽な姿勢になる(横になってもOK)
- 水分補給は◎
私はこのブログ活動で特にやっています。
25分作業+5分休憩。これを1セットとし、3セットぐらいやったら20分休憩を別で取ります。
マイクロブレイク
5~10分の短い休憩を取るだけでも、疲労回復や集中力向上に役立ち、軽いストレッチや深呼吸をするだけでも効果があります。
繰り返しますが、その休憩では他事は一切しないでください。誰かと話すことも可能ならしないでください。
ウルトラディアンリズム
90分集中して20分休みます。
「今は比較的元気!」「5分休憩すら挟みたくない!」「今自分は燃えている!」
こんな時はこの方法も有効でしょう。
90分でここまでは頑張るぞ!と目標設定をするとモチベーションも上がりやすいです。
1時間も、30分も休めとは言いません。数分でいいので確実に、合間に取る事が重要です。
休憩を先延ばししないためのコツ エビデンスレベル4
「いつ休憩を取ればいいの?」
あなたの最大集中時間によります。
その時のコンディション次第で最大集中可能時間をベースに、特定のタイミングで5~10分を取ると良いでしょう。
「休みすぎでは?」
一度試してみる事をおすすめします。
何より、休憩を取る事への意識を改める事が休憩を先延ばしにしない意識へ繋がります。
木こりのジレンマという話をご存じでしょうか。
木こりが斧を研がず一生懸命木を伐り続けている所へ
「斧を研いだ方がもっと早くたくさんの木を切れますよ」
という助言がきたところ
「忙しくてそんな暇はない」と返した話が有名のあれです。木こりのジレンマとは 意味/解説 - シマウマ用語集カーレースや車に例えても良いでしょう。
周りの車と同時にスタートをし、自分は燃料が切れそうだったりタイヤが大きくすり減っているのに「周りは交換も給油もしていないから自分もしない」というのはおかしすぎませんか?負け確定ですよね?
燃費が良い車を相手に「自分の車もあれぐらいやれるはずだ!」と給油をせずに厳しくしてはガス欠はするしエンジンも痛めてしまうしで、愚かなことこの上ないでしょう。
人間も同じです。
パフォーマンスを発揮するためには個人にあった休憩を挟むことが大切です。アメリカの元大統領も木こりのジレンマに拘る発信をし、多くの経営者など世間から共感を得ています。
あなたは参考にする価値を感じますか?
- 「後で休む」ではなく「休むべきタイミング」で休む
- 疲れを感じたらすぐの休憩を習慣化する。(疲れる前に休めたら理想)
- 疲れを放置せず、作業の合間に意識的に小休憩を挟む。
- 休憩を『成果を上げるプロセス』と考える
- 休むことで生産性が上がり、結果的に短時間で高い成果を得られる。
- 自分を追い込むより、効率的に動ける方法として休憩に対する考えを改める。
これが休憩 エビデンスレベル2
長期やまとまった休みが入ると何をしていいかわからず、とにかく出かけたり、溜めていた動画の更新を見たり、一気にゲームをしたりと発散に使いがちです。
心身はいったい何を求めているのでしょうか?
軽い運動や散歩
血流が悪くなっていませんか?
座りっぱなし症候群という言葉もあるように、姿勢が固定されがちだと血流が悪くなり、長期的には心筋梗塞や高血圧。
短期的にはボーっとしやすかったり疲れやすくなったり、頭の中がモヤモヤしやすくなり、休んでもスッキリしづらい体になってしまいます。
血流がよくなれば栄養もいきわたりやすくなり、脳のリフレッシュへ繋がります。
水分補給も血流改善に効果的です。
深呼吸や瞑想
同じことに集中が続かなかったり、気が散りやすくなったり、ネガティブな考えにずっと捉われてしまう体質になっている場合は瞑想を取り入れる事で、頭によぎった思考を受け流しやすくなります。
読書でもストレス軽減効果がある事がわかっています
風呂に入ったり緑を感じる
自然に触れるとストレスが軽減されることがわかっています。
また、入浴をして体を温め、血流を良くする事も効果的で、血流がよくなれば代謝が上がり、ダイエットにも効果がある事がわかっています。
さらに、重力から大きく解放される場でもあるので筋肉の疲れを大幅に取ってくれます。
スマホなどのデジタルから距離を取る
デジタル機器からは多くの情報があふれ出ており、人はその中から無意識に多くの決断力を消費して行動を決めています。
楽しいコンテンツに没頭してドーパミンを出し続ける事も脳には負荷がかかっています。
生命のバランスを維持するために、楽しいという感情をいつまでも感じる事ができないようになっており、だから「飽き」があるんです。
デジタルデトックスは決して意識高い系で括られる行動ではなく、きちんと心身を休ませるために効果的な手法です。
まとめ
疲れやだるさを感じたら、そのタイミングでしっかり休憩を取ることが、長期的に見て最高の成果を生む近道です。
無理を重ねると、最終的には自分自身が壊れてしまいます。
もしこれらの休憩行動があなたのパフォーマンスを向上させるとしたら、今日からどうするでしょうか。
15分の入浴すらしんどくても、5分ならできそうでしょうか。
5分のためにお湯を入れるのがもったいなくても、その5分で心身が快適になるとしたらどうでしょうか。
この記事を通して休憩に対する考え方を変え、まずはほんの少しでいいので科学的に示された休憩行動をとればどんな未来がくるでしょうか。
今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
『スタンフォード式 最高の休息法』久賀谷亮
『Deep Work: 深い仕事』カル・ニューポート
『ポモドーロ・テクニック入門』フランチェスコ・シリロ
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