ダラダラすると楽だけどスッキリしない。きっちりすると気分がいいのはなぜ?

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矢沙玖
矢沙玖

このブログは3日に1記事投稿でお届けします。

※著者は資格者ではありませんので、お読みいただいて効果を保証するものではございません。

休みという日をどのようにお過ごしでしょうか?

そしてその休みを経て、こう思ったことはありませんか?

「働いてる日のほうがメリハリがあって気持ちはすっきりするなぁ」

ただの休みでは気持ちはスッキリしないし、体もなんだかメリハリがなくてだるみがある。

今回はこれを改善し、休みの効果を得られる方法を解説していきます。

心はリズムを求めている

なぜ休みがだるいのか?一言でいえば、正しい休みを得ていないからです。

これまでに、睡眠が大事、発散が大事、自然に触れる、物語に触れる。などの休息法をお伝えしてきました。

しかし、そもそも心の健康を配慮するにあたり、このような事が言われています。

自由に行動できる環境が重要であると同時に、人間の体と心は「一定のリズム」を求める性質がある。

『自分でやる気をつくる! 自己決定理論入門』エドワード・L・デシ
サーカディアンリズムの研究者フランツ・ハルベルク

さて、何が言いたいのでしょうか。休むだけじゃなく運動もしなさいという話なのでしょうか。

心が充実を覚えるのはそんな簡単な理屈ではありません。

自己決定理論と心の充実感

心理学における自己決定理論では、人が「満たされた!」と感じるために必要な要素として「主体性」「有能感」「関係性」
の三つが挙げられています。人はこれらを大まかに達成感として認識します。
この3つがバランスよく感じられないと、達成感を求めたり、不足感を覚えたり、心がモヤモヤし、充実感がなくスッキリ休めない日に繋がってしまう事がわかっています。
全てを同時に満たす必要はありませんが、それぞれの達成感が全体の充実感には必要なんです。

(Deci & Ryan, 1985)

つまり、自分で決めた行動によってこの3つを感じる事が心が喜ぶ行動になるわけですね。

この3つがしっかり含まれてないと、充実しない1日を過ごす可能性が高まり、そんな日を繰り返してしまうと「休んでも治らない・・」と、心の病に対し焦りが加速しかねないんです。

この焦り自己否定や鬱状態に悪影響です。

具体的に解説します。

主体性

自分の意志や判断によって、自ら行動をする事。とされています。

自主性とは違います。

自主性は誰かが決めた事でも自分からすすんで行うことになりますが、主体性は自分の意志で決めたことを自ら行動すること、といった自我に大きくかかわってきます。

  • 自分が先頭に立つ
  • 自分が動かす
  • 自分がまとめる

というように、物事の主役があなたであるという事柄を指します。

有能感

自己肯定感を上げる感覚がこれに近いです。

何かに挑戦をしたり、頑張ったことによって成果を得ると、この有能感を得ます。

例えば、本を読んで知識を手に入れたり、難しいクイズを解いたり、人から評価されたりも有能感の獲得に繋がります。

もっと身近なところだと、ゲームをクリアしただとか、難しいモードに挑戦をしたという事も有能感に繋がりますよ。


少し脱線しますが、この有能感の獲得が自信に繋がります。

よって「自信がない・・」と悩んでいる方、大丈夫です。

行動をして有能感をまだ得ていないのに初めから自信がある方がおかしいです。

ほんとは「自信がない」ではなく「もしこうなったらどうしよう」という不安が隠れているだけなんです。

どうなったらその不安が消えるのか?を考える事が挑戦心に影響してきますよ。

関係性

いわば誰かとの関わり合いです。

人と話しながら何かに取り組んだり、成果を出すとポジティブな話し合いができた。などが関係性を実感する瞬間にあたります。

友達と喋る、家族と話す、お客さんと話す、誰かと挨拶を交わす。でもいいんです。

リズムの話

さて、おわかりでしょうか。

休みの中に「主体性」「有能感」「関係性」の3要素が入っていれば、リフレッシュした1日を送れると、自己決定理論を用いて解説しました。

つまり、寝まくる事を決めたとして「主体性」は満たされても、他の「有能感」「関係性」が感じられなければ、人は心から満足しないという事です。

満足を得るには、この3つの要素をバランスよく感じられるような、リズム整った休日にする必要があるという事です。

3要素の具体例

ここで「主体性」「有能感」「関係性」の具体例を5つずつ紹介します。

主体性の具体例

  • 寝る
  • 遊ぶ
  • 出かける
  • 勉強する
  • パソコンに向かう

「え?なにそれ?」と思いませんでしたか?

このように、動詞を自らの意志で決定して実行することが主体性です。

遊ばされる、出かけさせられる、勉強させられる、といった受け身の場合は主体性にはなりません。

例えば、家の手伝いをするのと手伝いをさせられるのでは主体性の感じ方が全然違います。

有能感の具体例

  • 知識が増える
  • 問題を解く
  • 人に感謝される
  • 成果を出す
  • あてにされる

少しそれっぽくなりましたね。

これ、仕事で得るような感覚に思えますが、日常でもしっかり感じられます。

  • 運転して道を譲ったら感謝された
  • ゲームをクリアしてほしいと頼まれた(これは、他者からの信頼を意味します。)
  • お使いをしたら喜ばれた

これでも十分有能感を得られます。

関係性の具体例

  • 誰かと一緒にこなす
  • 話しながら取り組む
  • 会話する
  • 挨拶する
  • 助け合う

なんとなく想像できるでしょうか。

どれも、一人だけでは成立しない動詞ですよね。

このように、他者がいないと成立しない動詞を行うことに関係性が感じられます。

「主体性」「有能感」「関係性」が交わった例

ではこの3要素がしっかり詰められた休日って何?というところですよね。

「休みの日に誰かを誘って一緒にジョギングをして汗を流せということ・・?」

そんな億劫な事をする必要はありません。

先ほど挙げた例を交えると、こうなります。

本を読む(主体性)ことに決め、知識が広がって(有能感)、その知識を人に話したら褒められた(関係性)
友達と(関係性)遊びに出かけ(主体性)、電車でお年寄りに席を譲ったら感謝された(有能感)

もっと身近がいいですか?

パソコンでゲームをする(主体性)事にし、ネット友達と(関係性)ゲームを攻略するために協力し合った(有能感と関係性)
好きな人と勉強をした(関係性と主体性)ら、わからない問題を教え合って感謝し合えた(有能感)
家族と出かけた(関係性と主体性)ら良い景色が見つかった(有能感)

さて、ここまでの例では3要素を全て含んだ1つの流れを紹介しましたが、必ずしも3要素全てを含む必要はありません。

大事なのは、1日の中に、バラバラでもいいので3要素を感じられることです。

よって

このように、1日の中に3要素がしっかり散りばめられているのが心の満足に繋がるんです。

また、挙げた3要素の具体例ではそれぞれの達成感を得られなかった場合、あなたはその事柄を当然の事と認識しており達成感を抱くレベルにいないのかもしれません。

関係性においてその感覚はやや危険で、この言葉が当てはまります。

身近な人ほど当たり前に感じ、感謝を忘れがち

まとめ

いかがでしたか?

人が1日を満足に過ごすには「主体性」「有能感」「関係性」の3要素を感じる事が大切です。

仕事をしているほうが心がすっきりするのは、この3つが上手に散りばめられているからかもしれません。

あなたの休日の過ごし方はどうでしょうか。3要素がしっかり含まれているでしょうか。

そして、その3要素が含まれていたとしても、あなたがそれを当たり前の日常として解釈するレベルにいる事に気付いているでしょうか更新が止まってはいないでしょうか。

それでは今回はここまでになります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

『自分でやる気をつくる! 自己決定理論入門』エドワード・L・デシ

『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル

『生きる力を引き出すアドラー心理学 実践入門』岸見一郎

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