私の記事を読むような勉強家の皆さんは「不要な通知は切る事をおすすめします」という数々の発信に触れたことがあるでしょう。
それは、小さなストレスの蓄積であったり、集中力の切り替えコストが少なからずメンタルに影響していますよ。といった説明ではないでしょうか。
しかしそのストレス等のメンタルへの影響が、心身にどれほど関わってくるのかまで理解できているでしょうか。
今回は、通知がもたらすストレスやエネルギーの消費についてお届けします。
後編では通知を切らなかったらどうなるのか。切っていなかったらどんな未来が来ていたのかをお届けします。
通知のストレス:脳への負担 エビデンスレベル2
慢性的な警戒状態
質問です。
通知ってどうやって届きますか?
音や振動ではないでしょうか。
このような通知音や振動は緊急を要するシグナルとして脳が認識するため自律神経を刺激します。
どうでもいい通知ですら、反応するという人間の動作を誘発しており、それがストレスホルモンを分泌させています。
例えば突然かかってくる超うざい営業電話などの通知も、あなたの心身にわずかとはいえ悪影響を及ぼしている事になります。
マイクロストレスの積み重ね
「別に通知なんか一瞬じゃん。神経質すぎでしょ。打たれ弱すぎなんじゃない?」
確かに通知自体は短時間です。
しかしこれが頻繁に発生すると、マイクロストレス(微小なストレス)が蓄積され、慢性的なストレス状態を引き起こします。
「小さなストレスなんか今の時代普通でしょ(笑)それすら避けようとか弱すぎでは?」
では、小さなストレスを積み上げた結果どうなるのかデータを出しましょう。
ストレスレベルが高いという事は睡眠、食事、交流などで様々な支障がでてくる可能性もあります。
ストレスをうまく発散できているのなら変わってくるでしょう。
しかし、発散を優先して休息を厳かにしていては意味がありません。
何より、不要な通知のために発散を必要としているのは良い状態とは言えません。
「発散しているから不要な通知が溜まろうが平気」ではなく、そもそもが不要な通知を含むストレスのせいで発散が必要になってはいないでしょうか。
決断疲れ エビデンスレベル2
意思決定のリソース消費
「今日は矢沙玖のブログ読もうかな」
「なんだろうこの記事。ちょっと読んでみようかな」
ご訪問ありがとうございます。
このように「これをしようかな」という思考には決断を使っています。
もう一度言います。
決断を使っています。
人間の意志力や集中力は有限であり、例えばブログを読むという一つの動作をとっても、有限である意志力や集中力を使う事にあたります。
つまり、人間の一日の決断回数には適度な制限が設けられている事になり、この回数を重ねると決断の精度が落ちたり、疲れを感じたりすることがわかっています。
この現象を決断疲れと呼び、仕事や学業のパフォーマンスを低下させる原因となります。
仕事終わりがクタクタだったり、頭を使うと疲れたり、趣味や遊びに没頭すると疲れるのはこのためでもあります。
通知が決断を伴う根拠
通知によって「読むか無視するか」「開くべきか閉じるべきか」という意思決定をする事になるのはおわかりいただけるでしょうか。
それが何度も繰り返されれば、意志力が消費されるのは当然です。
毎回の通知が取るに足らないものであっても、脳は一つ一つの選択にエネルギーを使う事を忘れないでください。記事内で線を引いてあったり文字の色が違う部分も「ここはちょっと重要なのかも」と判断するのも決断のひとつです。疲れたら本当に読むのを中断してくださいね。
スマホ通知による意思決定の消費例
仕事でパソコンやスマホを使いメールやメッセージなどで連絡をチェックをする業務があるような場合、通知の数で「うわ・・・」と思う経験がある方。
そうです。
脳は「めんどくさい内容だったらどうしよう」だけでなく、その数だけ中身をチェックするかしないか。中身が重要な物かどうかを判断。他者に共有するかしないかの判断。という程度は違えど決断の数々が鬱陶しい事を知っているんです。
集中力の阻害:切り替えコスト エビデンスレベル2
集中を切断する「タスクの切り替え」
通知が届くたびに、人は意識的または無意識的に作業を中断しタスク切り替えを行います。
この切り替えには、以下のようなコストが発生します。
深い集中(ディープワーク)が妨げられる
こんな記事を偉そうに書いている私ですが、スマホアプリを開きながら、ながら作業をしていた事は私にもあります。
例えばスマホの音が変わったり、音が消えたりすれば、その都度スマホアプリを操作しては作業などをするといったイメージです。
その結果、疲れた割には作業の質が微妙すぎた経験があります。
まんまこれですね。
まとめ
いかがでしたか?
通知を切るべき具体的な理由を今一度お伝えして前編を終わりましょう。
- ストレスの軽減
通知は「危険シグナル」として脳が認識するため、慢性的なストレス状態になります。 - 意思決定能力の保護
小さな通知でも判断力を消費し、他の重要な判断に使うべきエネルギーも使ってしまいかねません。 - 集中力の維持
通知はタスク切り替えを頻繁に促します。
深い集中を邪魔するため、創造的な状態や勉強に悪影響を及ぼします。
さて、あなたの一日の通知回数は仕事を含め、何回でしょうか。
そのうち不要な通知の数はいくつあるでしょうか。
通知の数々を見直すだけでストレス減るなら嬉しくないですか?
通知を見直せば集中できてはかどるなら、やり切った姿を実感しやすくないですか?
そして
通知が鳴りまくる日々が太る事に繋がるというのはどんな推測ができますか?
今回はこのタイトルの意味を理解するための元をお届けしました。
後編ではタイトルが示すメカニズムを解説します。
今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
『なぜシマウマは胃潰瘍にならないのか』ロバート・M・サポルスキー
『ファスト&スロー』ダニエル・カーネマン
『大事な事に集中する』カル・ニューポート 訳:門田美鈴
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