不要な通知は切る!わかっててもやってませんよね?これ、太る事に繋がってます。前編

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この記事のエビデンスレベルはです
この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しており、元となる参考文献は記事内に掲載しています。

私の記事を読むような勉強家の皆さんは「不要な通知は切る事をおすすめします」という数々の発信に触れたことがあるでしょう。

それは、小さなストレスの蓄積であったり、集中力の切り替えコストが少なからずメンタルに影響していますよ。といった説明ではないでしょうか。

しかしそのストレス等のメンタルへの影響が、心身にどれほど関わってくるのかまで理解できているでしょうか。

今回は、通知がもたらすストレスやエネルギーの消費についてお届けします。
後編では通知を切らなかったらどうなるのか。切っていなかったらどんな未来が来ていたのかをお届けします。

通知のストレス:脳への負担 エビデンスレベル2

慢性的な警戒状態

質問です。

通知ってどうやって届きますか?

音や振動ではないでしょうか。

このような通知音や振動は緊急を要するシグナルとして脳が認識するため自律神経を刺激します。

人間は進化の過程で、突発的な刺激(音や振動)に反応するようにできており、通知音はその機能を利用する典型例です。
結果として、心拍数や血圧がわずかに上昇し、コルチゾールの分泌を促進します。

2017年の調査(カリフォルニア大学)によると、スマホの通知音やバイブレーションは、瞬間に心拍数を上昇させることが確認されています。
スマホの通知が鳴るだけで心拍数が平均5%上昇し、リラックス状態が崩れることが観察されています。

「なぜシマウマは胃潰瘍にならないか」Sapolsky, RM (2004)

どうでもいい通知ですら、反応するという人間の動作を誘発しており、それがストレスホルモンを分泌させています。
例えば突然かかってくる超うざい営業電話などの通知も、あなたの心身にわずかとはいえ悪影響を及ぼしている事になります。

マイクロストレスの積み重ね

「別に通知なんか一瞬じゃん。神経質すぎでしょ。打たれ弱すぎなんじゃない?」

確かに通知自体は短時間です。
しかしこれが頻繁に発生すると、マイクロストレス(微小なストレス)蓄積され慢性的なストレス状態を引き起こします。

「小さなストレスなんか今の時代普通でしょ(笑)それすら避けようとか弱すぎでは?」

では、小さなストレスを積み上げた結果どうなるのかデータを出しましょう。

研究ではスマホ通知を頻繁に感じる人は不安感やストレスレベルが高い傾向にあるとしています。
特に未読の通知が溜まるということ自体が心理的な負荷となり、ストレスを増加させることも認められています。

University of California Irvine.2014

頻繁な通知はコルチゾールの分泌を30%以上増加させるような報告があり、これが慢性的なストレス状態の維持繋がっています。

McEwen, BS、/Gianaros, PJ (2011)
ストレスおよびアロスタシスによって誘発される脳の可塑性。
年次医学レビュー

ストレスレベルが高いという事は睡眠、食事、交流などで様々な支障がでてくる可能性もあります。

ストレスをうまく発散できているのなら変わってくるでしょう。
しかし、発散を優先して休息を厳かにしていては意味がありません。
何より、不要な通知のために発散を必要としているのは良い状態とは言えません。

「発散しているから不要な通知が溜まろうが平気」ではなく、そもそもが不要な通知を含むストレスのせいで発散が必要になってはいないでしょうか。

決断疲れ エビデンスレベル2

意思決定のリソース消費

「今日は矢沙玖のブログ読もうかな」
「なんだろうこの記事。ちょっと読んでみようかな」

ご訪問ありがとうございます。
このように「これをしようかな」という思考には決断使っています。

もう一度言います。

決断使っています。

人間の意志力や集中力は有限であり、例えばブログを読むという一つの動作をとっても、有限である意志力や集中力を使う事にあたります。

つまり、人間の一日の決断回数には適度な制限が設けられている事になり、この回数を重ねると決断の精度が落ちたり、疲れを感じたりすることがわかっています。

この現象を決断疲れと呼び、仕事や学業のパフォーマンスを低下させる原因となります。

仕事終わりがクタクタだったり、頭を使うと疲れたり、趣味や遊びに没頭すると疲れるのはこのためでもあります。

通知が決断を伴う根拠

通知によって「読むか無視するか」「開くべきか閉じるべきか」という意思決定をする事になるのはおわかりいただけるでしょうか。
それが何度も繰り返されれば、意志力が消費されるのは当然です。

毎回の通知が取るに足らないものであっても、脳は一つ一つの選択にエネルギーを使う事を忘れないでください。記事内線を引いてあったり文字の色が違う部分も「ここはちょっと重要なのかも」と判断するのも決断のひとつです。疲れたら本当に読むのを中断してくださいね。

スマホ通知による意思決定の消費例

例えば1日に受け取る通知が50件の場合、50回の「通知を見るor見ない」「反応するorしない」という小さな決断が行われます。
これだけで1日の意思決定の10〜15%が無駄に消費されるという研究もあります。

(参考: Baumeister & Tierney, 2011)。

50回の通知により、1日の意思決定エネルギーの15%が浪費されるという研究に加え、複数の通知が連続すると意思決定能力が20%低下することが示されています。

Kahneman, D. (2011)

仕事でパソコンやスマホを使いメールやメッセージなどで連絡をチェックをする業務があるような場合、通知の数で「うわ・・・」と思う経験がある方。

そうです。
脳は「めんどくさい内容だったらどうしよう」だけでなく、その数だけ中身をチェックするかしないか。中身が重要な物かどうかを判断。他者に共有するかしないかの判断。という程度は違えど決断の数々が鬱陶しい事を知っているんです。

集中力の阻害:切り替えコスト エビデンスレベル2

集中を切断する「タスクの切り替え」

通知が届くたびに、人は意識的または無意識的に作業を中断しタスク切り替えを行います。
この切り替えには、以下のようなコストが発生します。

前のタスクに戻るまでに平均23分を所要。
脳のエネルギー消費が増加し、結果的にパフォーマンスが低下する。

University of California Irvine

深い集中(ディープワーク)が妨げられる

深い集中(ディープワーク)に入るには15分以上の継続作業が必要です。
しかし、通知が定期的にあるとその時間が確保されないことになります。
その結果として、創造性や問題解決能力が大幅に低下します。

通知によるタスク切り替えの影響は大きく、1日の総作業効率を約20%低下させると言われています。

Cal Newport、2016
矢沙玖
矢沙玖

こんな記事を偉そうに書いている私ですが、スマホアプリを開きながら、ながら作業をしていた事は私にもあります。

例えばスマホの音が変わったり、音が消えたりすれば、その都度スマホアプリを操作しては作業などをするといったイメージです。

その結果、疲れた割には作業の質が微妙すぎた経験があります。
まんまこれですね。

まとめ

いかがでしたか?

通知を切るべき具体的な理由を今一度お伝えして前編を終わりましょう。

  1. ストレスの軽減
    通知は「危険シグナル」として脳が認識するため、慢性的なストレス状態になります。
  2. 意思決定能力の保護
    小さな通知でも判断力を消費し、他の重要な判断に使うべきエネルギーも使ってしまいかねません。
  3. 集中力の維持
    通知はタスク切り替えを頻繁に促します。
    深い集中を邪魔するため、創造的な状態や勉強に悪影響を及ぼします。

さて、あなたの一日の通知回数は仕事を含め、何回でしょうか。
そのうち不要な通知の数はいくつあるでしょうか。

通知の数々を見直すだけでストレス減るなら嬉しくないですか?
通知を見直せば集中できてはかどるなら、やり切った姿を実感しやすくないですか?

そして

通知が鳴りまくる日々が太る事に繋がるというのはどんな推測ができますか?

今回はこのタイトルの意味を理解するための元をお届けしました。
後編ではタイトルが示すメカニズムを解説します。

今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

『なぜシマウマは胃潰瘍にならないのか』ロバート・M・サポルスキー

『ファスト&スロー』ダニエル・カーネマン

『大事な事に集中する』カル・ニューポート 訳:門田美鈴

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