まずはタイトル回収。
結論、運ではありません。
「疲れを取るために少し寝たのに、起きたらかえってだるい」
「二度寝ですっきりするはずがめっちゃ眠い」
こんな経験ありませんか?
多くの人が昼寝や二度寝を正しく取れずに、かえって体調を悪化させてしまうことがあります。
これ、睡眠慣性という現象で説明できるかもしれません。
今回は、科学的に正しい昼寝・仮眠の方法や、二度寝のリスクと適切な範囲を解説します。
睡眠慣性とは?だるさの原因 エビデンスレベル3
睡眠慣性は、深い眠りに入った状態で起きた場合に感じる強い眠気やだるさのこと。
特に昼寝や二度寝でこの状態に陥ると、頭がぼんやりしたり体が重くなる原因になることがわかっています。
深い眠りって?
人の睡眠はこのように分けられています。
厳密にはもっと区分がありますが、わかりやすくするためにざっくりと分けました。
健康な人の場合で、覚醒状態→レム睡眠or浅い睡眠→深い睡眠→浅い眠りと睡眠サイクルを回します。
浅い眠りからレム睡眠に移行する周期があり、レム睡眠の時に夢を見ると言われています。
このレム睡眠の時、例えば嫌な夢を見て目が覚めるなどが起こると、夢の内容を覚えているのだそう。
そして深い眠りとは、レム睡眠を超え、浅い眠りも超え、心身が回復を取ろうとする段階に入ったぐっすり眠っている状態の事を指します。
深い眠りで起こされるパターン
騒音や大きなアラーム、地震など、強い刺激によって無理やり起こせば深い眠りから起きるでしょう。
もぐらで例えてみましょう。
深いところから急いで出てくるのと浅いところから急いで出てくるのではもぐらの疲労感が全然違うのが伝わるでしょうか。
このもぐらの疲労感の例えが、どの深さの睡眠でたたき起こされたかによって生じる睡眠慣性の強さを説明しています。
浅い眠りなら仮眠してもいいのか? エビデンスレベル2
OKです。
ここで、睡眠のサイクルについて触れておきましょう。
睡眠のサイクル
睡眠のサイクルは通常90分単位で進むと言われていますが、全ての人に当てはまるかは不明確です。
また、この睡眠に限らず
医学・科学において100%こうだという断言はありません。
ただ、この説は有力です。
人が睡眠状態に入ってから30分以内は浅い眠りである場合が多いため、眠気を取るための軽い眠りは浅い睡眠に留めておくと、目が覚めた場合に睡眠慣性が生じづらい。
逆に、40分以上眠ったタイミングで深い眠りに入ってから浅い眠りに移行する前に起きると睡眠慣性が生じやすい。
よって、正しい仮眠時間は10~20分である。
逆に、30分以上の仮眠は逆効果になる可能性が高く、だるさを訴える場合があり、夜の睡眠にも影響することがある。
二度寝の危険性と許容範囲 エビデンスレベル3
二度寝においては、目覚まし後に10~15分程度だけ目を閉じる二度寝なら、心身のリフレッシュに役立つことも報告されています。
ただし、あくまで「リフレッシュ目的」で、長時間の二度寝は避けるべきとされており、長時間の二度寝をしてしまうと、睡眠リズムが乱れ、かえって疲れやすくなることも。
特に起きた後、再び長時間寝る二度寝は、体内時計のリセットが中途半端になり、体調不良の原因になることが示唆されています。
睡眠負債を効率的に解消する方法 エビデンスレベル4
寝不足をフォローするために「休日にめちゃくちゃ寝る!」という事をやっていませんか?
週末の寝溜めは一時的には効果があるが、基本的には効果がないと言われており、長期的には平日の睡眠時間を増やす方が有効だとされています。
そのためには昼寝や仮眠を上手に使うことが、日々の睡眠不足のカバー法として適切だとわかっています。
そもそも寝溜めは睡眠時間のバランスに悪影響を及ぼす可能性があります。
また、寝溜めをするから平日の睡眠を少なくするというのは、基本的には借金をしていて休日に返済をしてまた平日に借金をしていると同義で、決して溜めれていない事を頭に入れておいてください。
結論:毎日個人差はありますが7~9時間の質の良い睡眠を取ることが理想。
まとめ
疲れを効率的に取るためには、昼寝・仮眠の取り方や二度寝の時間に注意する必要がある事がわかりました。
可能な限りの時間二度寝をして結局眠かったり「眠いから寝る!」で時間も気にせず寝まくったりして、起きたら結局だるいのは睡眠慣性に原因がありました。
短い仮眠や二度寝でも快眠は可能で、理想は7-9時間を質良く眠る事です。
「そんなの簡単に出来たら苦労しないよ」
もちろんわかります。
だからこそ睡眠環境を整えて寝る事を楽しみにするのも大切ですよ。
睡眠環境の整え方は記事の用意がありますので是非参考にしてください。
主に安価でかつ取り組みやすい睡眠環境づくりを前編後編の二部構成で記しています。
主に寝具を揃える事や簡単なリラックス法について三部構成記しています。
主に、光や体温のコントロール、寝る前の行動やメンタルを落ち着かせる等、リラックスを中心に三部構成で記しています。
記事を読んで疲れてしまったなら、さっそく10分~15分の仮眠を試してみてはいかがでしょうか。
もし、あなたに合う適切な仮眠時間が見つかったら、あなたのパフォーマンスや日頃の気分はどのようになるでしょうか。
今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
「睡眠負債」西野精治
「スタンフォード式最高の睡眠」西野精治
「睡眠の科学」加賀谷善教
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