こんにちは、矢沙玖です。
ここ最近の公開は16時投稿に間に合わず、なんとか3日に1投稿のペースを守るためにその日のうちに投稿といった形を取っていました。(16時のルールはありませんが個人的にそうしてます)
書き溜めて置いた記事も尽き、ギリギリ投稿になったのは仕事が繁忙期に入ってブログを触る時間が減ってきた事と、体調不良が重なったことにあります。
さて、これは記事の更新が遅れた事に対する弁解をしたいわけではなく、体調不良だからこそ気付けた誤りを皆さんにシェアするための前ぶりです。
「はよ!」
すみません、自分語りでしたね。
ところで皆さんは体調不良で寝ている時に、寝すぎが暇で何かしたくなる事ってありませんか?私はめちゃくちゃあります。
「学校を風邪で休んじゃったのに買い物行っちゃった」
「インフルエンザで休んだのにゲームばっかりしてる」
少なくないですよ、そういう人
今回は、そういう行動をする事を駄目だというわけではありません。
これは次回の記事でお届けしますが、むしろ刺激不足のストレスはかえって回復を遅らせる事もあります。
ではなく
「え・・・ずっと寝てて休んでてゲームしかしてないはずなのに頭が・・・」
「何もしてないのに・・動画見てただけなのに疲れた・・」
「休んでやるゲームは楽しいのにロード中めっちゃ体がしんどいな・・」
この正体を解説します。
刺激は元気を呼び、疲れを呼ぶ エビデンスレベル2
普段の健康的な体なら気付きもしないでしょう。
しかし、本当に体が弱っていてそこから立ち直ろうと体が回復期のタイミングではしっかりと辛さを感じるんです。
その辛さの根本はドーパミンです。
ドーパミンとは
まず、ドーパミンは快楽物質ではありません。
楽しい事がありそう、嬉しい事がありそう、気持ちの良いことがありそう、何か良いことがありそう。と快楽という報酬を期待して予測するときに出てくる物質です。
気持ちが元気になる未来が予測されると、ほぼ必ず分泌されると考えて良いです。
このドーパミンは、身近すぎる例でいえば、娯楽の際に分泌され「もっと見たい」「もっと遊びたい」「もっと欲しい」「もっと知りたい」と思わせる欲求のもとでもあります。
これ、体調不良で休んで布団の上で横になってアプリや漫画、動画視聴をやっている姿を想像してください。
ドーパミンもドッパドパになることがわかるでしょうか。
この状況では交感神経が刺激されて、アドレナリンが出やすくなり、いわゆる戦闘モードに近い状態になります。
こうして脳だけが快楽を感じていると、神経や内臓は疲れていく一方です。
弱った体をほったらかしてこれをやったらどうなるでしょうか?
冒頭の通り
「あれ・・・なんか疲れが・・しんどさが・・」
と、感じるんですね。
覚えておいてください。
体調不良だから顕著に疲れを感じただけの話であって、健康な体だとしてもドーパミンを出す行為はエネルギーを消費し体を微量でも疲れさせる事に変わりはなく、無自覚である場合が多いんです。
見えない疲れの正体であり、見えない疲れの根本だと私は考えています。
ドーパミン自体が疲れの物質そのものではなく、ドーパミンによって交感神経が活発になり、アドレナリンが出て戦闘モードになり、それが疲れを引き起こすという事です。後述しますがノルアドレナリンではなくアドレナリンも出ます。
交感神経系の活性化とドーパミンの分泌は、実験的にも確認されています。
(Parker et al., 2007)
例えば、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されると、交感神経系が刺激され、これによりエネルギーの消費が加速します。
研究によれば、ドーパミンが過剰に分泌されることで、特に脳内でのエネルギー消費が増加することが確認されています。
(Smith et al., 2015)
これは、エネルギー消費が神経伝達物質の活動に直結していることを示唆しています。

アドレナリンとノルアドレナリンって別物なんですよ。
ゲームが楽しいと「アドレナリンがみなぎる!」というような言葉を聞くことがありますが、あれはノルアドレナリン(興奮や集中、警戒)と呼ぶのが正しいです。
アドレナリンは、緊急時にとっさに沸き起こる緊張(やばい!どうする!?)を指します。
体調不良時のドーパミン分泌
様々な体調不良がある中、その衰弱から回復中のタイミングではドーパミンによる刺激に耐えられるエネルギーがまだ体内に戻ってきていません。
そんなときにドーパミンが分泌される行動をするとこうなります。
一時的には元気になる → | ドーパミンの作用によるやる気や快感 |
だんだん疲れる → | 内臓や脳のエネルギーが追い付かなくなる |
区切りがついたり、ゲームのローディングなどの待ち時間で「止まっている間」しんどくなる→ | 一気に興奮が落ち、疲労感や気持ち悪さなどが表面化する |
この流れを感じる事は自然であり、感じたらすぐに中断するべきサインです。
暗い環境にし、体を落ち着かせ、リラックス状態に運んでください。
健康な状態ではこれに気付かないからこそ、万人受けではないですがこまめな休息や集中力を発揮するポモドーロ・テクニックが有効だと言われているんです。
ドーパミン分泌以外でも疲れる エビデンスレベル4
当たり前ですが、体調不良なのにスマホをずっと見ていると
「あー・・さすがに体調不良だから目の疲れもダイレクトに来るんだな・・」
こんな感覚もあるでしょう。
これを細かく解説すると、体調が万全でないときは五感の刺激に対する許容量が減っているんです。
光や音、情報の量、匂いなどがそれにあたり、体調不良では普段何ともなくてもそれらの刺激を強く感じ、鬱陶しいと感じてしまいます。その現象の事です。
なので、体調不良でも私のブログを読んでくださっている方。
きつかったらすぐに休息に移ってくださいね。
「いつものスマホ画面なのに・・まぶしい・・!」
「いつも読んでる本なのに・・なんか内容が多い気が・・しんど・・」
「動画の人のテンションやたらうるさいな・・・・」
このような反応は、回復中の神経が過敏になっているサインですよ。いわゆる心の声です。
私以外でも数多く起こっています エビデンスレベル2
さて、ドーパミン分泌による疲れや、体の衰弱による感覚過敏による疲れは、インフルエンザだとかの病気だけから起こる事ではありません。
睡眠不足、脱水症状、高熱、でも発生し、鬱病・自律神経失調症・胃腸障害でも起こる事が確認され、報告されています。
ドーパミン過多にいたっては、一時的には快感をもたらしますが、回復期にこれをやると自律神経の乱れを引き起こしやすい事が分かっています。
①研究によると、睡眠不足は感覚処理に関与する脳の領域、特に感覚入力を処理する視覚や聴覚の脳領域に影響を与えることが確認されています。
①(Sagaspe et al .,2010)
睡眠不足が感覚過敏や注意力の低下を引き起こし、外部の刺激に過剰に反応する原因になることが示されています。
睡眠不足が引き起こす感覚過敏は、痛みに対する感受性の増加にも関連しているとされています。
②睡眠不足は感覚処理に関する脳の領域を変更し、身体の感覚を異常に強く感じることがあることが示されています。
これにより、音や光、さらには温度などの刺激に過剰に反応することがあります。
②(Cajochen et al.,2009)
①うつ病患者における感覚過敏は一般的な症状であると認識されており、特に音や光などの感覚的刺激に対して過敏になりやすいことが研究によって示されています。
①(Martin et al., 2014)
うつ病に関連する神経伝達物質の不均衡、特にセロトニンやノルアドレナリンが感覚過敏を引き起こす可能性があるとされています。
(これ、言ってること大切なのでわかりやすくします。
気分が落ち着き精神安定に関係するセロトニン
何かに警戒していたり集中している時に出るノルアドレナリン
といった神経伝達物質のつり合いが取れていない事が感覚過敏を引き起こすと解説していて、気分が落ち着かないからといってゲームばかりをしてノルアドレナリンばかり出しているとなおさら悪化するとも言えるんです。)
うつ病患者は環境刺激に過剰に反応し、感覚的な情報に対する許容が低くなることがあります。
②さらに、うつ病における感覚過敏は、痛みや不快な刺激に対して特に強く感じることが知られています。
この現象は感情的な痛みや身体的な痛みに対する感受性の増加と関連しており、うつ病患者は通常の人々よりも音、光、温度、触覚刺激に対して強い反応を示すことがあるとされています。
②(Dworkin et al., 2010)

これ、自分でも驚きでもっと早く知りたかったです。
ここを掘り下げた記事をご用意しますね
まとめ
いかがでしたか?
私自身は知ってみて驚きの情報でした。
ちょっとした娯楽でさえも、それを楽しむ行為が微量でも体を疲れさせるという事、弱っている体はそれを敏感に感じ取るという事でした。
これ、私が体調を崩していなければ私自身ではまだ発見できていなかったと思います。
この記事が皆さんの役に立てばたつほど、私は自分の体調不良に感謝できます。(変なやつですね)
過剰に娯楽を楽しんでいませんか?
目的もなく暇を埋めるために思考停止で娯楽に手を付けていませんか?
その微量を手放すことで回復し、心の健康に繋がり、視野が明るくなるとしたらどうでしょうか。
とはいえ、これらの情報を手に入れたからと言って明日から5分でも、1分でも娯楽を削れたら苦労しませんよね。
今回はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
『最高の体調』鈴木祐
『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン
『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』ケリー・マクゴニガル
『脳が疲れている人のための本』岩崎一郎
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