今回は、世の中で多く浸透している社会のいやーーーーーな部分について知ってみる記事です。
現実を突きつけられる気持ちになるかもしれませんので「自分まだ社会復帰する段階じゃないんで」「社会のレールからもう外れたい」「現実を見たくない」という方は無理せず引き返してくださいね。
具体的には
科学が見解を出しているとはいえ、実際はその通りにはいかないから世の中は気合で耐えるしかない。
という事が現実目線で見て正しいかどうかについてみていきます。
私も決して社会経験を積み重ねたわけではありませんし、30代になってやっと社会復帰をした身なので、正しい事だけを言えるわけではない。と保険をかけさせてください。
作業興奮の乱用 エビデンスレベル4
さて、前回まで作業興奮について触れてきました。
作業興奮というのは、やる気が起きない事に対しても「とりあえずやってみる」という行動を起こし、その結果しばらくの間は気合や根性、我慢という形でなんとかなることを指します。
その行動を続けるうちに、何かしらで得られる経験によって自分の価値観などと合致し、やる意味を見出すことができれば習慣になります。
習慣になってしまえば行動のハードルはびっくりするぐらい低くなります。
そこでこの作業興奮という現象を世の中では当たり前のように頻繁に、酷使するように使われているのかというところです。
その答えは
YESです。
どんなに嫌な事でも、やる気が無い事でも、作業興奮を使いまくって無理やり継続させている人が多くを占めています。
それが続かなくなってきたところに、他者から罰や罵倒・罵声・疎外・嫌味・嫌がらせ・ハラスメント・比較などを使って再度無理やり動かそうとしています。中には自分で自分にしている人もいます。それを他人に押し付ける人もいます。
実際に、厚生労働省からもこんなデータが挙がっています。
多くの労働者・学生・子育て世代が「気合・根性・我慢が美徳」とされる環境に置かれており、科学的なケアや心理的配慮が「甘え」や「逃げ」として退けられるケースが多いです。
厚生労働省(2022)
例
「休職したら昇進から外れる」「病院に行ったらメンタル弱い人扱い」「カウンセリングに行くことが恥ずかしいと感じる」など。
「職場におけるメンタルヘルス対策に関する実態調査」報告書
かといって、この状況に異議を唱えるのが間違いかと言われれば違います。
「そんなの嫌だ」と我儘になることも自然で、決して悪い事ではありません。
むしろ、その我儘こそが自分が欲しい現実に気付くきっかけです。
人生は嫌なことを耐え続けて耐え抜く喜びを楽しむ時間ではありません。
自分で道を見つけて納得できる生き方を獲得し、一生を全うする事です。これも私の考えなので真に受けすぎないでくださいね。
文字だけで見ればマジでつまらない現状
このように、努力が求められる風潮を文字でまとめてしまうと
マジでつまらない社会です。
こんな所で生きてて何が楽しいの?と感じる事もあるでしょう。

私も社会復帰をする前は何となくこの構造が見えており「社会復帰するメリットある?」「なんでわざわざ嫌な思いをするために回復しなきゃならない?」「そもそも生きてる意味ある?」と、冷え切った視点を持っていました。
多くの人が慢性疲労・睡眠障害・心のすり減りを抱えており「自分をうまく使いこなしつつ社会の波にも乗っている」と言える人は少数派です。
その結果
「仕事はつらいもの」「生きてるって大変なことのほうが多いんだぞ」「でも頑張って生きるから人生が輝くんだぞ」
と、名言っぽい事が言われます。
多くの人がその言葉を信じ込み「気乗りしないけど、とりあえずやる」「というかやらないと生きていけない」という経験をし、ある程度成果を出しています。
ここまでを知っても、つまらない構図ですよね?
外では色々なことが起こる エビデンスレベル1
エビデンスレベルをつけるまでもなく万人に共通ですが、自分の内側から外に行けば必ず変化は起きますよね?
つまらない構図を生きる中でも、細部まで全部つまらないかと言われればそれは違います。
- 人との出会い
- 全くの新たな発見
- 意外と見落としてた事
- 自分の才能との出会い
- 新しい考え
- 知りたくなる事
外にはこの他にもいっぱいありますよね。
例えば私がこうして執筆活動をするに至った経緯は
- 全くの新たな発見
- 自分の才能との出会い
- 新しい考え
- 知りたくなる事
の4つが満たされたから趣味としてスタートしてます。
中には、オンラインゲームやアプリを通して
- 人との出会い
- 全くの新たな発見
- 新しい考え
が満たされてオフ会が好きになっている人もいるでしょう。
このように、当たり前すぎて言われるまで気づかないような、実はクソゲー構図に隠されている楽しい事が散りばめられています。
作業興奮に頼りまくることが持続可能に見えているのは、裏にこう言った楽しみを見出せているからなんです。
もちろん、趣味も楽しみもないまま作業興奮を続ければ燃え尽きてしまい、何年も心に深い傷を抱えてしまうでしょう。
また「こんな現実は嫌だ。今よりも頑張らなくていい方法がいい!」と我儘を叶えるきっかけにもなります。
我儘を抱かないと、新しい道を作るきっかけも生まれません。
自分が直面しているストレスに対し、それに見合う楽しさを併せ持っているかが現実を乗り越えられるかのポイントになってきます。
そのストレスの度合いは他人が勝手に測れるものではありません。
「え?朝の通勤だけでそんなに病むの?やばくなーーーい?」
個人差があって当然です。主観に振り回されないでください。
真新しい刺激を受けると、脳は学習と柔軟性(可塑性)を高める回路を強化し、ストレス耐性も向上します。
Norman Doidge (2016). The Brain’s Way of Healing.
結果として「同じストレスでも折れにくくなる」ようになります。
自然環境や新しい空間に出ることが、前頭前皮質と扁桃体のバランスを整え、気分の調整・ストレス軽減に有効です。
Tost, H., Champagne, F.A., & Meyer-Lindenberg, A. (2015).
小さな「変化」が脳にとってセーフなノイズとなり、創造性や希望感情を刺激します。
Environmental influence in the brain, human welfare and mental health.
Nature Neuroscience, 18(10), 1421–1431.
外に出て新たな芸術や人間関係に触れることで、自己認識の柔軟性が高まり、過去のつらさへの認識も変わることが研究されています。
Sotiropoulos, M.G. & Anagnostouli, M. (2021).
Genes, brain dynamics and art. Journal of Integrative Neuroscience.
人は「予測不可能なポジティブな出来事」に特に強い快感を覚え、記憶にも深く残るという神経学的事実があります。
Calpe-López et al. (2020).
Behavioral traits associated with resilience.
Frontiers in Behavioral Neuroscience.
まとめ
確かに、作業興奮は、何かをやり始めるにはとても便利です。
実際それによっていくつも成果が出ている例もあり、多くの人が「気合は正義、努力は美徳」と感じるのも無理はありません。
ですが、それに頼りすぎた結果折れてしまう人が多発しているのも事実です。
社会の構図がそうなっていることは否めません。
そんな一見つまらない構図にも、細部には心を救ってくれる要素がたくさん散りばめられています。
私の記事と出会ってここまで読み進めた理由も、何かしらの刺激ではないでしょうか。
今の現実に不満を持ち、我儘を抱くことで、これまで得ていた刺激がヒントとなって新しい道に気づける事もあります。
現実を生きづらく感じ、道を作ろうとする人々がフリーランスなのかもしれません。
我儘とは自分を守るためのサインであり、人生を変えるきっかけとして正当な感情です。
今回はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
『脳はいかに治癒をもたらすか』ノーマン・ドイジ
『疲労と精神生活』エミール・クレペリン
『脳を最適化する超健康法』ダニエル・G・エイメン
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