辛さが人にわかってもらえない・・。自己否定をせず、あなた自身はあなたを理解してあげてください。後編

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矢沙玖
矢沙玖

このブログは3日に1記事投稿でお届けします。

※著者は資格者ではありませんので、お読みいただいて効果を保証するものではございません。

こんにちは、矢沙玖です。

前回では、なぜ周りはあなたを理解してくれないのか、されにくいのかを解説しました。

そして、あなた自身もあなたを無視しているかもしれない危険性についても述べさせていただきました。

そんな状況にストップをかけるため、あなたが実は出している心からのサインに気付くようにお願いをしました。

そこで今回は

「そもそもなんでこんなに疲れるんだろう、思えば全部対人だなぁ」
「周りは普通にやれてるのになんで自分ばっかり・・・」

このように、あなたを自己否定に陥らせたり、対人ストレスを抱える理由を掘り下げ、あなたが自分自身を少しずつでもわかるお手伝いをさせてください。

仕組みがわかれば対処法もわかります。あなたのトリセツ、探してみませんか。

心が疲れる理由

世の中は思った以上に冷たくて、でも、意外と温かいのが現実です。

しかし、簡単に温かい環境に身を置けるわけではないのも現実です。

だからあなたはこうして疲弊してしまい、私の記事を読んでくださっていると思います。

心が疲れる理由、と大きなことを書きましたが、内容は人それぞれ。

前回お伝えした繰り返しになりますが、根本は人が関わっているから心が疲れるんです。

科学的な観点と実際の例を照らしながら見てみましょう。

3つの科学的観点を紹介します。

社会的ストレス理論

心の疲れの多くは社会的ストレスから来るとされています。

他者との交流や人間関係における期待、不安、摩擦が引き金となり、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を引き起こし、精神的な負担を感じるためです。
例えばある研究では、職場の人間関係が仕事での満足度やメンタルヘルスに大きく影響を与えることが示されています。

コーエンとウィルズ (1985) 「ストレス、社会的サポート、健康」

退職理由のTOP1が対人関係である事はこの理論を知れば納得ですね。

実際に厚生労働省や転職サイトの調べで、退職理由として「人間関係の不和」が頻繁に挙げられていますよ。

「社会的サポートとストレス」の研究
ストレスが高いと感じる人の90%以上は、対人関係に関連した問題を挙げるというデータもあります。(例えば、家族問題、職場の人間関係、友人との衝突など)
つまり、心の疲れの多くにが関わっている事の証明になります。

コーヘン、アンダーウッド、ゴットリーブ編 (2000) 「社会的サポートと健康」

エネルギー消費の観点からの説明
心の疲れの原因には、人との関わりは心理的なエネルギー消費が大きい事がわかっています。
これは、社会的な期待や自分の役割を果たすための努力が重なると、心のリソースが消耗しやすくなるためです。

シュワルツ、シュルキン (2003) 「ストレスとエネルギー消費: 神経内分泌系の役割」

なんとなく伝わったでしょうか。

人と関わる事が疲れる例

「人と関わる事って疲れるよね・・・」という事はわかっていても

なぜ疲れるのか、までは説明できない方がほとんどだと思います。

ここまでの科学的観点を元に、実際に例を挙げてみて照らし合わせてみましょう。

職場での人間関係のストレス

上司の期待に応えられないことへのプレッシャー同僚との競争や対立過剰な責任感や失敗への恐れなどが挙げられます。
これ、当然ですが業務の押し付けなどのパワハラも該当しますよ。

パワハラだと気付かないうちは、多すぎる業務内容にプレッシャーを感じますし、相手から威圧的な態度や、挨拶に問題がある場合もプレッシャーになります。
パワハラまではいかなくとも、あなた自身がイメージする社内環境や対人とは違う事が起きてもプレッシャーになりますよね。
読んでてお気づきかもしれませんが、誰でも抱くんです。私も例外なく抱きまくりました。

だから、繰り返すうちに社会の圧力に立ち向かえなくなり、症状として現れ、ひきこもる期間が生じてしまったんです。「自分だけが・・・」と何度も思いました。

家庭内の摩擦

家族間での価値観の違いパートナーとの口論子育ての負担親の介護などが心の疲れの原因となることがあります。
こちらもよく聞く話ですよね。私もありました。

自分の抱く悩みが身内に理解されず「それが社会なんだ」「かといって社会に出ない事はまずい」と、説き伏せられる一方で、そのあげく

「そうか自分はダメなやつなんだ、じゃあ無理だ、世の中に合わない、もうしらね・・・」という段階までいきました。

社交疲れ

社交の場での人間関係の維持や、新しい人との出会いに対する不安無理をして会話を続けるストレスなどがあります。
こちらも誰もが経験ありませんか?

「いわゆる陽キャはこんな悩みなさそう(笑)」いいえ、誰でも抱きます。社交的な方でも、合わない人と関わる事になったり、自分から歩み寄って謙虚に出る事も社交疲れに繋がります。
私ですか?すっかり苦手になってしまったので、もう社交の場に行かないようにしています。バリアをがんがんに張っていますよ。誰も聞いてませんね。では次へ行きましょう。

孤立感と孤独感

自分が孤立していると感じる場合や、人間関係で認められていないと感じることも、心に大きな負担をかける原因となります。
なんとなく惨めな、無様だなぁ・・・と感じる環境にいると、ものすごいストレスを感じるんです。

私もありますよ。まさに先ほどの、社交の場で孤立するのもそうですし、かといって社交の場に行かない分、身内のコミュニティに関して知らないだらけになるので、孤立に繋がるんです。
集団において無理をしていないでしょうか。なんとなく心がざわついたり、集団にいるのに次第に元気がなくなっていく経験ありませんか?

「私は周りが楽しそうに会話してるのを聞くのが好きだから!」

という方もいると思います。

でもそれ、常にそうでしょうか。

無意識のうちに孤立を感じると、めちゃめちゃ心が疲れるんです。

例えばこんなのも該当します。

同性2人、異性1人

の3人で仲良くしようと思っているのに、やたら、男女が仲良く話し続けていて、少し込み入った話をしだすと、残された同性1人はあぶれている感じしませんか?

これ、本人はめちゃめちゃ疎外感を感じている可能性があります。

故に物凄く心が疲れる事でしょう。

この場合、帰宅してそれぞれが1人になると、その男女は満たされているかもしれませんが、あぶれてしまった人はドッと疲れたり、もやもやしている可能性があります。

研究としてその反応は自然です。

経験のある方、決してあなたの器が小さいわけではありませんよ。

また、こうならないように気を配って全員と話している優しい方それも疲れて当然ですよ。

それを気遣えない人を見ると、むかつくこともあるでしょう。

ネットワーク上のストレス

SNSなどのオンラインのやり取りでのプレッシャーや、他人と自分を比較してしまうことなども心の疲れの原因の一つです。
特に、今まで挙げた例が全てネットでも遭遇するといっても過言ではありません。
自分が経験のあるネットゲームを挙げて照らしてみますね。

ネットゲーム等のオンラインでも、私生活で感じるストレスと極めて近い物が潜んでいる

職場での人間関係のストレス

いわゆるギルドみたいな組織で発生しますね。先輩であるとか、あの人の方が強いからとか、中身が年上だとか。指示厨、効率厨とか聞いたことありませんか?このように色々あり、実際に起きてる事はリアルのコミュニティと同じと考えます。

家庭内の摩擦

家庭ではないですがこちらも、オンライン上ですごく仲の良い人が相手だと起こりえます。

始めたての新人さんをサポートしたりだとか、でもその方と自分ではゲームに対する価値観が違ってすれ違ったりとか、よく聞く話です。

社交疲れ

間違いなく起きます。

オンラインならなおさら、全く知らない人が集まっているところに飛び込むこともありますし、友人の紹介で新しい組織や人脈に飛び込むこともありますね。

孤立感と孤独感

こちらも、ネットで起きますし、実例を本当によく聞きます。

このストレスがいきすぎると、人によっては掲示板だったりに書き込んだり、自身のSNSに晒したりと、問題行動に発展しやすいです。

対人のストレス要素は当たり前のように潜んでいる

あなたが疲れる理由は科学的にしっかり証明されていて実際の例も挙げられており、それを身近な例にまで落とし込むと、全て人間の仕組みとして当たり前なんだ。

と繋がってくるわけです。

あなたが弱いわけではありません。

ストレスのかかる環境にばかり身を置いているのかもしれません。

疲弊して当然です。

では最後に、なぜあなたばかりが抱えているのかを読み解いていきます。

自分ばかり耐えれないと感じる理由

(訴えかける言葉が含まれているので、そこまで求めてない方はここで閉じてください)

まず、めちゃくちゃ簡単に理由を大雑把にお伝えします。

  • 今の環境が合っていない
  • 今の人間関係が合っていない
  • 自分の分析ができていない

それはわかりきっていますよね?

だからこそ自分と向き合っていけば、今まで送ってきた人生をもとに、あらゆる期待や妥協点などが知らないうちに、あなたの中に形成されていた事が見えてきます。

つまり、あなたの今までの経験をふまえ、今後どうなりたいか、何なら我慢できるのかを、心はもう知っているんですよということです。

それが事実上可能か不可能かをごちゃごちゃにして、頭が余計な思考を混ぜてくるからみえないだけです。

実は持ってるイメージと、実際異なりすぎているから、自分だけが耐えられない人間なんだと錯覚を起こすんです。

世の中は冷たいけれど、温かい所もある。しかし、簡単に見つからないのが現実。

あなたが適応できないわけじゃないんです。

あなたの選んだ環境と、あなたが無意識に期待している他者や環境へのイメージがミスマッチを起こしているから、疲れきってしまい、なんで周りは耐えれるんだろう?となってしまうんです。

周りの人が選んだ環境は、それなりにその人の思うイメージに対しミスマッチとまではいかないぐらい順応しているだけなんです。

難しい話をしてしまってますね。例を挙げてみましょう。

自分のイメージと事実のすれ違いの例

「挨拶をしたら挨拶を返してくれるだろう」という経験があるとします。

これって、今まで生きてきたうえで当然なので、他者に対してもある意味期待をしてしまっているんです。

だから、挨拶が返ってこない「お疲れ様」を目を見て言ってくれないだけで、あなたのイメージとのギャップでストレスが発生します。

加えて、過去がこうだったらこうなりえます

挨拶をされたら挨拶を返さないと体罰を受けるような環境で当たり前に育ってきた場合

挨拶を返さない事が信じられないような思考があるわけですから、これを他人にやられると「挨拶を返さないなんてどういう神経をしてるの?」とか「自分何かやったか?」と、他の人と比べてより強いストレス反応を示し、過剰に考え込んでしまいます。

経験ありませんか?

私はあります。

亭主関白の家庭で暮らした経験があるので、周りには理解できないような当たり前な習慣を植え付けられて育ちました。例えば

  • 家の中で歩いていい場所の指定
  • 家の中でも親にすれ違ったら会釈

こんな経験ありますか?

「え、嘘でしょ?」「いやいや、話盛ってるだろ」

と思いますよね?これが世間の感覚と本人の事実によるギャップです。

この本人の経験を世間の当たり前にされても困りますよね?

これこそが、いざ外に出た時にギャップとして生じやすく、本人の生きづらさというストレスへつながるわけです。

本人が「これが普通なんだな」と認識してしまうとその時点で、他者や環境への期待や妥協点が、自身の中で設定されてしまうわけです。

また、外と自分のギャップに気付き「自分はあんな環境で厳しく辛く生きてきたのに、なんで・・・」不平感を覚えてしまった場合は、周りに対して、その不平感を埋めるべく他者に押し付けてしまう事もあります。

だんだんとイメージできてきたでしょうか。

「パワハラなんてありえない、時代遅れの行為だ」
「セクハラとかきもすぎ、だって相手が傷つくでしょ」
「こういう言われ方をすると、相手は嫌な気分になるだろう」

これらすべて、あなたが今までの人生で得た常識でしょう。

ですがこれらに対しても、それっぽい反論をかましてくる人達もいますよね?

このように、あなたにとっての常識を得ていない人が世の中にはたくさんいる事も事実です。

だからあなたのイメージと実際の世の実情にギャップがあり、疲れるんです。

前編でもお伝えしましたね。

共感ギャップがここで発生します。

では何をすればいいのか、最後に具体的にお伝えして終わりますね。

億劫な世の中を少しでも居心地よくするために(おわり)

あなたが抱えている「耐えれない」「嫌だ」と思う事をしっかり認識し、向き合い、なんで嫌なのか?をもっと分析すると見え方が変わります。

そして自分はこういう常識を持っているから世間のこことすれ違ってて不快な思いをしている。仮でもいいので結論を出してみてください。

そのうえで、今あなたが置かれている環境や対人が、どれだけあなたの結論とずれているのかを確認してみてください。

紙に書いたり、スマホのメモを使ったり、アプリを使うのもいいですよ。

10年日記やMindMeisterもお勧めです。

https://www.mindmeister.com/ja マインドマイスター

https://web.10nikki.com/welcome 10年日記

大谷翔平選手が実施したマンダラチャートも効果的です。

自分と向き合ってある程度の結論がわかった結果

今の環境のまま頑張るのか

それとも

環境を変える事にリソースを使うのか

あなたが納得のいく環境を得る事に全力を出すことが、誰かの期待に応えるよりも、何かの圧迫感を耐えるよりも、一番大事だと私は思います。

あなたの優しさ、他人に向けすぎず、自分にも向けてあげてみてはいかがでしょうか。

それでは今回はここまでとなります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回とりあげた科学的根拠

社会的ストレス理論

コーエンとウィルズ (1985) 「ストレス、社会的サポート、健康」

「社会的サポートとストレス」の研究

コーヘン、アンダーウッド、ゴットリーブ編 (2000) 「社会的サポートと健康」

エネルギー消費の観点

シュワルツ、シュルキン (2003) 「ストレスとエネルギー消費: 神経内分泌系の役割」

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