人と関わる時、このように自分の本心を隠すことってありませんか?
「大丈夫ですよ!元気です!」(ほんとは辛いし泣きそう)
「楽しいよ、気にしてくれてありがとう!(むしろ嫌な話ばかりで不快)
「面白いじゃん!いいね!」(人を不快にさせて何が楽しいの?)
相手を喜ばせるため、や、傷つけないため、角が立たないために取り繕い、上記のようないわゆるフリを続けた結果
「つっかれた・・・・」
と、疲弊した経験はないですか?
このようなフリがメンタルにどれほどの影響を与えるかについて解説します。
フリが心身に与える負担 エビデンスレベル3
いわゆる「フリ」をしているとき、無意識のうちに自分の本心を抑え込んでいます。
感情の抑圧
James Pennebaker
この現象を感情の抑圧と呼ばれ、フロイトの「防衛機制」の一つにも関係しています。
感情を表現しないことが一見平穏に見えるかもしれませんが、実際には内心で葛藤が続き、その結果としてストレスが蓄積されます。
研究によると、このような感情の抑圧は心理的な負担を大きくし、長期的にはうつ病や不安障害を引き起こす可能性があることがわかっています。
さらに、感情の抑圧と健康リスクの関連性も実証されており、自己表現が心身の健康にとって重要であることを明らかにしています。
Brene Brown
例えば「今日は楽しい」と言いながらも心の中では疲れている場合、その矛盾した状態が心にストレスを与えます。
このストレスが積み重なることで、メンタルが徐々に疲弊し「何かが違う」と感じるようになります。
この違和感を無視してしまう事があり、次第に自己評価の低下や自己否定感に繋がることもあります。
社会的圧力と「フリ」
フリをする理由は、単に自分を守るため、または他人を気遣うためにとどまらないことが多いですよね。
その中でも冒頭で触れましたが、角が立たないようにするため。というのは社会的圧力に順応するためでしょう。
特に現代では、SNSや対面でのコミュニケーションが重要視され「良い自分」を見せようとする「あるいは空気を読む」傾向が強くなっています。
例えば、自分の「楽しくない」部分や「疲れている」部分を見せることに対する抵抗感が強く「楽しくないのに楽しいフリ」をすることが社会的に求められる場面が多くあります。
また、ほんとは楽しいのに、いつも忙しく元気のない周りに合わせるために、楽しくなく疲れているフリをする事もあるでしょう。
例えば、自分も相手や周りと同じように楽しんでいないと「仲間外れにされるのでは?」という不安が湧くことがあります。
「楽しそうにしていたら目をつけられて不当な扱いを受けそう」
これも、フリをするための動機に十分なります。
このように、社会的な期待から逃れられず、無理に自分を偽ることで、内面的なギャップが広がり「本当の自分を隠すこと」がメンタルに深刻な影響を与えるんです。
自己矛盾の積み重ねがメンタルに与える影響
フリをしているとき、内心の違和感や自己矛盾が心の中で蓄積されます。
最初は小さな違和感であっても、それが積み重なることで心が疲れていきます。
心理学者のアーロンによる認知療法では、自分の思考と行動に矛盾が生じると、心理的な不調が引き起こされるとされています。
Aaron Beck
例えば、疲れているのに「楽しい」と言い続けることで、心は「何かがおかしい」と感じ、最終的に自己矛盾がメンタルに負荷をかけます。
自分の気持ちに正直に
フリが必要とされる場面が多い現代で最も重要なのは自分の感情に正直でいることです。
もちろん、全ての場面で本音を言うことが適切であるとは限りません。
しかし、できるだけ自分が本当に感じていることを意識し、それを少しずつ表現することが大切です。表現できる場がある事も大切です。
例えば、友人との会話で「今日はあまり調子が良くない」と正直に言うのも自己矛盾を防ぐ一つの方法です。
良いように話すでもなく、悪いように話すでもなく、自分の気持ちを素直に話せる事が大切であることを意味します。
これにより、自分の感情が解放され、心の中で蓄積されたストレスが少しずつ軽減されます。
また、自分を許すのも大切です。
自分が抱いた感情を否定せず、受け入れることで、心は少しでも楽になります。
自分に優しくすることが、メンタルの健康に繋がります。
まとめ
フリを続けることは、外から見れば無害に思えるかもしれませんし、上手なやり過ごしですし、敵を作らないという意味では有効かもしれません。
しかし、その裏には大きなメンタルへの負担があります。
自分を守るために感情を隠し続けると、心の中でストレスが蓄積し、最終的に心身に悪影響を与えることになります。
自分を守るためにフリで演技をする事が、実は自分のメンタルを守らない行為だとわかった今、どうする事が今の自分にとって最善でしょうか。
今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。