こんにちは、矢沙玖です。
前編はいかがでしたか?
モヤモヤの正体や疲れの理由をしっかり理解できたことで、心が軽くなれば幸いです。
今回の後編では、嫌な人だと思ってたら良い人だったり、かと思えば嫌だなと思ったりをループしてしまう前に、そもそもそんな相手を極力避ける方法をお伝えし、どんな人がこのループに陥りやすいのかを解説します。
ループから早めに抜け出す方法
自分が疲れるだけという自覚をする
言うのは簡単ですが、実際そのシチュエーションの際に「これまともに相手すると自分が疲れるな」と意識して行動を変えれる人はなかなかいません。
だからこそ、善悪で物事を見てしまい、真正面から心が反応するので疲れてしまうんです。
もしあなたが今、不信感を抱いている相手がいるのでしたらこのように今すぐ思ってください
「あの人への印象をコロコロ変える事は疲れる事だ」
そうです、そのお相手が良い人だろうと悪い人だろうと関係ありません。
あなたにとって疲れる人だ、と認識をするんです。
その人のために疲れる事に何か意味があるでしょうか。無ければ次の項目へお進みください。
感情を整頓する
これは実際のワークになります。
すぐにやりたい人は取り組んでください。
まず、メモを用意してください。スマホでも紙でもなんでもいいです。
そして、自分の感情に従って
その人の何が嫌なのか、どんな時に嫌だと思うのか、良い部分が見つかったらなぜ良いと思うのか
を、しっかり言葉にして表してください。
こうすると、自然と状況を客観視する事ができるます。
自ずと自分が相手から何を見せられているのかが見えてきます。
前編で軽く出しましたが、映画版ジャイアン現象が起きてたりしませんか?
例えば、お礼を顔を見ながらジェスチャー付きで笑顔で言われたぐらいで「良い人なのでは?」と思い直そうとしてないでしょうか。
あなた自身がその相手に騙されていないかを知るためには、感情を言語化して可視化する事が有効です。
価値観を明確にする
価値観と言われると難しい気がしますよね。
まず前提として、ループする大きな原因は相手の言動に対して自分がどう反応するのかが自分で把握できていないからです。
例えばこういうことです。
「この人は〇〇な言動を取る。ではなぜ自分がそれを不快に思うのか?」
と自分に問いただしても答えがでてこない状態を指します。
ここに答えがあるだけで変わってくるという事です。
ではどうやって答えをもつのか?
このように自分に尋ねてください
「自分がそもそも、その事柄に対して期待しているのはどんな行動だっけ?」
その答えがあなたの価値観です。価値観の派生が考え方となる事が多いです。
つまり「〇〇な状況なら△△してくれるだろう」というのは価値観が元となっている場合が多いんです。
「挨拶をしたら返してくれるだろう」「道を教えたら目を見てお礼を言ってくれるだろう」これらも価値観からくる考え方です。
してもらったらお返しする、感謝する。するとお互いが気持ちよい。だから気持ちの良い言動をするものだ。というのが隠れてたりします。
この価値観と違う行動を相手が取ったら苛立ちという形で不快感が現れるよね、というとこまで答えられることで、相手の言動に対して自分がどう反応するのかが自分で把握できていることになるんです。
このように価値観が把握できている方は次の項目へお進みください
関わり方を決める、距離を取る
これも言われるのは簡単ですし、私としても書くのは簡単です。
ですが、ここまで読んでいただいたことで
自分がその人を認識する事が疲れる
自分はその人からこれらの感情を抱かされている
自分の価値観はこうだ
という所までは、少しでもわかってきたのではないでしょうか。
ここまでわかれば、今後自分がその人とどう関わるのが自分にとって最適なのかを決める事ができます。あなたの荷を軽くするためにも是非きめてください。
その人との関わり方を決めてないから、相手のペースに巻き込まれるんです。
それを決めてしまえば、ここまでは感情をもってくる、これ以上は無視をし相手にしない、なぜなら自分が損をするから!と境界線を引く事もできますし、過度な期待をしなくなって結果的に楽になります。
さらに、価値観が明確になっていれば映画版ジャイアンの法則には騙されないようにもなります。
別にジャイアンが嫌いなわけではありませんが、悪い面があなたにとって許容できるのか、ストレスなしにスルー出来るのかを事前に決めておくことが重要ですよ。
ジャイアンなら物語として楽しめますが、現実は違いますからね。ジャイアンの風上にも置けないような人、あなたの近くにもいませんか?
この積み重ねをしっかり積んでいけば次第にNOが言えますし、表面的な付き合い方ができるようになりますし、必要な付き合いでも最低限のストレスで済ませられるようになります。
そして、毒親など関係の深い相手に対してもこのテクニックは有効です。
「親だから悪く思っちゃダメだよ」「親だって人間なんだからあなたのために悩んでるんだよ」「事実あなたも手がかかる子なんだよ」
こんな声より、あなたのメンタルが大事です。お互い様ならあなたのメンタルを削ってもいいのでしょうか?
あなたが尊敬できない人であれば、大事な感情を使ってまで対面する必要はないんです。
このテクニックを使うことは、甘えでも弱さでも脆さでもなく、生存戦略であり、自分が幸せに生きるための賢い方法であり、合理的な手段です。
そもそも避ける方法
自己理解を深める
先ほどの価値観と類似します。
自分の価値観と違う行動を相手が取ったら苛立ちという形で不快感が現れるようだ。
つまり、自分の価値観がこうで、これに対して誰が、どのようにすると、結果自分はどんな形で不快になるのか。
これをしっかり説明できると、対人において自己理解ができている。と言えます。
この自己理解ができているのが非常に重要で、これができていると
- 自分に合わない人を見抜く力が伸びる
- 今後ストレスになる可能性の察知
- 自分にどんな未来が来るかの予測
これらの能力が上昇します。
そうすると、初対面の壁こそ作りかねませんが、あなたがしっかりと相手と自分の相性を見極められるようになります。
「なんだか上から目線っぽくて嫌」「私みたいな人がどの面でそんなことを・・・」
その結果自己否定に陥っていては意味がありません。その思考を繰り返した結果幸せな人間選びができているでしょうか。
あなたが選別する事は何も悪くありません。あなたにも選ぶ権利があります。
他者にその意図が伝わらないようにすればいいだけです。
伝わってしまったとしても、わかる人には理解されますので安心してください。
私の例を挙げます
車の運転中、細い道で対向車が来ました。
こちらに余裕がある場合は、端に避けたり、バックをして相手が通れるようにします。
もちろん、ジェスチャーなどでお礼を伝えてほしいと感じます。
なぜなら、バックをする慎重さ、端によせてぶつけることがなくかつ相手が通れる幅の確保をする手間を取っているから。なにより、タイミングが偶然重なってしまっただけでどちらも悪くないから。
これに対し、素通りするような相手とか、ましてや「邪魔だなこいつ」「対応おせーよ」と睨んでくるような相手には攻撃性を秘めてしまいます。当たり前ですね
ここまで自己理解を深めておくと「自分が苛立つような相手と同じような特徴をこの人は秘めていないか?」と、警戒できて、考え方の違いに敏感になるんです。
表現はあまりよくないですが、フィルターにかけやすくなるんです。
かといって、こういう人は大体フィルターにかかるよね、と例えば年齢や見た目で一括りにしてしまうとすると、それは前編でお伝えした過度の一般化となってしまうので注意が必要です。
相手の印象を決めず、様子見する期間を設ける
価値観がしっかり定まっている前提でお届けします。
お相手の事を「良い人」「悪い人」という風に、感情ベースで見るのではなく
「自分の価値観と合っているか、どれだけ違っているか」「この人といると疲れるかどうか」という、居心地という面でマッチングするかしっかり見定める期間を設けてください。
考え方や価値観が100%マッチングする事はありませんが、気が合う人とはそれなりに一致する事が多いです。
特に、許せない事や大きな喜びを感じる時の一致もそうですが、私の場合は対人モラルが近いかどうかをじっくり見てしまいます。
そこであらかじめ境界線を引いておけば、その線を越えたら関係はここまでにしかしない。と面倒になる前に線引きしておくこともできますよ。
自己抑圧的感情処理(どんな人が陥りやすいのか)
さて、わかっていても相手に対して罪悪感を抱いたり、他者からの一般的な見られ方などを気にしてしまい、結局いつまでも振り回され続けてしまう。
どんな方がこの自己抑圧的感情処理を起こしてしまいやすいのか解説します。
なにそれ?
自己批判的な状態を抱えている人の場合、他者に対するネガティブな感情を持つことを自分の問題と捉え、無意識にその感情を抑え込もうとする傾向があります。
このような人は、他者を悪く思わないように努めたり、自分が相手を誤解しているのではないかと考え直すことが多くなります。
これを自己抑圧的感情処理といいます。
つまり、他人の悪い部分を見たときにそれをすぐに「悪い!」と言ってしまうのではなく「自分がもっと広い心で接しなければいけない」「その人にも良い部分があるはずだ」と考え、あなたが抱いた否定的感情を、無理に抑えようとする現象ですね。
この反応、一見すると他者に対する寛容さや思いやりに見えませんか?
しかし、長期的には心理的な負荷がかかりやすい事がわかっているんです。その結果人間不信になる事も十分にあり得ます。
今こうして記事を読んでくださっているあなた。
あなたのような真面目な方がこの状態に陥りやすく、手始めに自己批判的になるところからスタートしてしまうんです。
つまり、価値観どうのより、相手がどうのより、まずは自分が自分を信じない、自分の感覚がおかしいんだ、と思い込んでやまないんですね。
苦しい事この上ないでしょう。
私も過去ふさぎこんでオンラインゲームをしていた時期、対人で不満があるとボーーーっとしてしまい、ゲームから離れ、考え込んでしまい、結論全て自分が悪い、あの人じゃなくて自分がおかしい、と自己批判を繰り返していました。
不満の理由はこれです。
「困っているから手伝ってほしい」と言われたので、今やってる事を中断して手伝ったら「あ、おけ、もういいわ」とだけ言われ、他の誘いにぴゅーーーっと去っていきました。
当時はめちゃくちゃモヤモヤしましたよ。
今思えば、ゲームなら特によくありますし、些細でくだらないと思うかもしれませんが、当時の私にとっては「え?何この人」という感覚がぬぐえませんでした。
周りから見たり未来の自分から見るとめちゃめちゃ些細な事だったりするんです。
だから周りに相談しても端的な返答しか来ないんです。
でも本人はめちゃくちゃモヤモヤして、ものすごいストレスになることもあるんです。
だからこそ、あなた自身の感覚を大事にして、あらかじめ価値観と自己理解をして自分を守る手段を持っていてほしいんです。
私が挙げたような人とはそもそも関わらないように自分でルールを作ればいいんです。
真面目な人ほど、他者との関係で生じるストレスに敏感なんです。
自己批判が強まっている時こそ、「嫌な人」だとサインがでたとしても、その直感的な不信感を無視してしまうんです。
その結果「やっぱり嫌だ」という感情が重なってしまうことが多いんです。
この「自己抑圧→不快感の再確認」というループこそ、真面目な人にとっては余計に疲弊する原因になって、対人不安、対人恐怖症、人間不信、自己否定に陥ってしまうんです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、前編で原因をお伝えし、後編で改善法をお伝えし、どんな人がなりやすいのか?の順でお届けする事で、ネガティブになる時間が少なくなるような書き方をしてみました。
今回のテーマは誰もが経験したことがあると思いますし、人によってどれだけ深刻になるかという度合いもかなり変わってくるはずです。
価値観や自己理解の大切さは何度かお伝えしている通り、本当に重要なので少しずつ取り組んでみてください
それでは今回はここまでになります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考文献
自己理解と価値観の重要性についての研究
Schwartz, S. H. (1992). Universals in the content and structure of values: Theoretical advances and empirical tests in 20 countries. Advances in Experimental Social Psychology, 25, 1-65.
自己批判的傾向と心理的ストレスについて
Blatt, S. J., & Zuroff, D. C. (1992). Interpersonal relatedness and self-definition: Two prototypes for depression. Clinical Psychology Review, 12(5), 527-562.
感情抑制とストレスに関する研究
Gross, J. J., & John, O. P. (2003). Individual differences in two emotion regulation processes: Implications for affect, relationships, and well-being. Journal of Personality and Social Psychology, 85(2), 348-362.