「わかってても行動できない・・」それ、あなたが怠惰なわけではありません~前編~

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    この記事は『前編・後編』の二部構成です。テーマに沿った情報を二回に分けてお届けするものになります。
この記事のエビデンスレベルはです
この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しています。元となる参考文献は記事内に掲載しています。(ショートブログ除く)

今回は、誰でも経験したことがある内容を取り上げました。
それこそあなたのご両親、祖父母、ご先祖までもが経験している事でしょう。

私も当然ですが経験があります。
過去の私は、わかっていても行動に結びつかない事だらけでした。

先延ばし、そして結局やらないやった方がいいに決まってるでもやらない
こんなの日常茶飯事で自己嫌悪に陥るところまでがセットです。

「業績を上げた方が良いとか、成績に繋がる習慣をすべきだとか、高い目標の事を言ってない?」

全くそんなことはありません。

  • 夜になったら夜更かしをしないでちゃんと寝る
  • 食事をお菓子で済ませない

などのような本当に当たり前の事で、守らないと体はどんどん劣化していくような事でさえ、わかっててもできませんでした。

今では、それなりには行動に結びつくようになりました。
後編ではその方法をお伝えします。

脳が疲れており、怠惰というのはお門違い エビデンスレベル2

「やらなきゃいけないことはわかっているのに、どうしても行動できないよ・・・」

誰でもあるはずです。人にこのような相談をした方もいらっしゃると思います。
しかし人によってこの感情を抱く頻度強さがまるで違います。

よって

「わかるわかる、でもねー・・ほんとにやばかったらやるんだよ」
「わかるけど危機感足りないだけなんじゃないの?」

こんな返し方をする方は、おそらくわかってません。
かといって、親切心でのこのような助言であれば足蹴にするのは違います。
この場合、親切心は受け取った上で正しい知識を入れて自分の状態を知ってみましょう。

危機感は関係ない

危機感は関係ありません。
「危機感があれば動ける」というのは別問題ですし、根本的解決になりません。

危機感に頼ると「頑張る」というエネルギーを追加で消費する行動となるため、持続不可能です。


研究では、危機感(恐怖喚起)短期的に行動を促す事がわかっていますが、持続的な行動変容にはつながらないとされています。

「恐怖喚起と行動変容の関係」(Leventhal, 1970)

ですのでまずは、自分を責める事をやめてください。

今すぐ自身に「疲れてるんだから行動できない事は仕方ないんだよ」と言ってあげてください。

さて、多くの人が経験するこの感情は、決して怠惰意志の弱が原因ではありません。

脳の仕組みや心の状態に深く関係しているからこそ起こる生理現象です。

行動できない理由は脳にある

やるべきことがあるのに、どうしても動けないという状態は、脳の働きに大きく影響されていて、特に前頭前野という脳の部位が関与しています。

前頭前野とは

意思決定や計画、問題解決などの複雑な働きを担っている部分をさします。
ストレスや疲労が蓄積されればこの部分の働きが低下し、行動に移す力が弱くなることがわかっています。


自己制御資源の枯渇(エゴ・ディプレッション)により、意志力が低下し、行動が制限される事が示されています。

「脳の疲労と行動制御の関係」(Muraven & Baumeister, 2000)


前頭前野が損傷すると、自己制御能力が低下し、計画的な行動が難しくなる事がわかっています。

「前頭前野と自己制御」(Miller & Cohen, 2001)

これが、わかっているのに行動に移すまでの足取りが重くなる要因として挙げられるわけです。

その結果、先延ばしが起こるようにもなります。

先延ばしとは

プロクラステイネーションとも呼ばれています。
「あとでやろう」と先延ばしにしてしまうことをさし、多くの人が経験する行動パターンの事です。
さらに、先延ばし癖は脳の報酬系が関与しており、目先の楽な選択に引き寄せられやすくなってしまいます。

前頭前野の働きが悪くなり、先延ばし癖がついてしまうと、行動することで得られる長期的な報酬よりも、今すぐの快適さを脳が優先するようになってしまうのです。

これ、めちゃくちゃ恐ろしいのでもう一度お伝えします。

脳にストレスや疲労をためたままで休息がない場合、前頭前野の働きが悪くなります。

すると先延ばし癖がつきやすくなってしまいます。

その結果「やった方がいい事をやるよりも、やらないほうが楽。」
という、目先の快楽に逃げてしまいやすくなるんです。

「寝不足ってまさか・・・?」と察したでしょうか?これ、睡眠不足でも十分起こりえま
しかも、一般的な推奨睡眠時間は個人差こそあれど7~9時間と、研究者達は言っています。

「え?6時間睡眠なら寝てる方じゃん(笑)」
「5時間も寝れば十分だから」

こんな言葉、信用してはいけません。

矢沙玖
矢沙玖

このような体験談や身内談。
もしくは、はるかに長い時間とお金を研究に費やした多くの方々が出した結論

どちらを信じますか?

これを思考停止で、間違った睡眠時間の提示鵜呑みにして知らずのうちに脳がダメージを重ねると、あなたが今悩んでいる「わかってても行動できない・・・」が発生する可能性をどんどん上げる事になってしまうんです。

そしてその環境は脳の次に心を壊そうとします。

その環境は脳の次に心を壊そうとする エビデンスレベル5

ここまでの私の話を疑ったままで改善しなかった場合、何が起こると思いますか?

私の記事が正しかった場合として考えてみてください。

いつまでたっても

「睡眠は5時間と十分とってるはずなんだ、たまの夜更かしで発散もしてる。脳にストレス?それはない」
「なのに・・・あぁぁぁぁあああ!!どうして決めた事すらできないんだ!」
「・・・・別に疲れてるわけでもないのに・・・自分ってダメすぎなんじゃ・・・?

これを繰り返すことは容易に想像がつくと思いませんか?

心と脳からのサインが出ているのにもかかわらず「自分ってダメなんじゃ・・・?」という思考は大変であり、大きな誤解とは思いませんか?

間違った知識で回ってる環境あなたの前頭前野を壊した後、動けないあなたを責める思考を湧きあがらせ、あなたの脳は心に鞭をうち始め

しかも

「努力をすることが輝かしい」
「我慢をして向かうさまが美しい」
「まだまだ頑張れ!」
「とりあえず頑張れ!」

と、心身に鞭をうつことを美徳とする風潮はまだまだ絶えません。
世の中にありふれている心に寄り添わない社会は、疲れ切った心や脳にとって敵です。

私のブログではまず、それらの根拠のないおかしな美徳は無視する事を最優先にし、休息をおすすめします。
我慢している様を見せた結果、本当に心が壊れてしまったらなんて言われるでしょうか。

「最近の人はどんどん、弱くなっていってるなぁ」「情けないなぁ」

こんなこと言われたらイラつきませんか?

そもそもそんな人たちを相手にせず無視する事が一番ですが、できない方もいらっしゃるはずです。

休息が必要なのに、本当は疲れているのに我慢をして頑張った結果
結局貶される、煽られる、勝手にがっかりされる。
というような目にあうぐらいなら、初めから無視してしまう方がよっぽど健全です。

努力、我慢、忍耐他人に押し付けるものではなく、個人が課題として抱いた場合に自発的に実行するものとしてとどめるべきと考えています。

※現状で外に出る事を躊躇している方が、更に抵抗を覚えてしまうのは危険だと考えますので、これ以上の例は挙げません。

まとめ

あなたがもし、行動しないといけないのに何もできなくて悩んでいたら、それは脳が疲れているサインかもしれません。

にも拘らず自己否定をしてしまっているなら、今すぐやめてください。

十分な休息を取り、あなたを義務感や努力の世界に引きずろうとしている声は無視するようにしてください。

後編では、心すら本当はあなたを守ろうとしている根拠を提示し、動けない自分をネガティブに捉えないようにする考え方と根拠を届け、少しでも回復させるべきだという意識がつくような記事を届けます。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

「すぐやる人とやれない人の習慣」(佐々木正悟)

「脳を鍛えるには運動しかない」(ジョン・J・レイティ)

「意志力の科学」(ロイ・バウマイスター)

「スタンフォードの自分を変える教室」(ケリー・マクゴニガル)

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