その妥協や泣き寝入り、納得して選んでますか?この感情が当てはまったら今後戦う余地あり

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この記事のエビデンスレベルはです
この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しています。元となる参考文献は記事内に掲載しています。(ショートブログ除く)
「まあ、仕方ないか」「言い返しても無駄だろう」

このような妥協や泣き寝入り、経験ありませんか?

「いや、向こうが悪いしこっちが悪くないのは知ってるけどめんどくさいし・・」

こういった感情もありますよね。
別の記事の話になりますが、これは学習性無力感といって「やっても仕方ない」「コストのほうが高い」
という事をこれまでの経験で学んでいるからこそ起こる心理です。

実は、妥協や泣き寝入りの多くは本当は戦えるのに戦わない選択をしてしまっていることが多いのです。
しかもその心理を理解できていないと「自分が弱い」「ただのめんどくさがり」と誤解することだってあります。

そこで今回は戦うべき状況を見極める感情のサイン戦えない心理的ブレーキの正体そして戦う勇気を持つための具体的な方法を紹介します。

主に対人で「仕方ない・・・」と感じる心理は不公平感の現れ エビデンスレベル1

冒頭でも触れましたが「まあ仕方ないか」と妥協したとしましょう。

でも、それが本当に自分で納得して選んだことなのかただの泣き寝入りなのかを区別できていますか?

ただの泣き寝入りは心が荒む原因になります。
戦う必要のある不満感かもしれません。

そもそも「仕方ない」「言っても無駄だ」といった感情が芽生えるのは、あなたが不公平だと感じていなければまず起こりません。
不公平な部分を感じる=相手が何かしら卑怯な事をしている可能性を疑ってください。

「いやいや、その人の考えすぎや早とちりでしょ。世の中を疑いすぎ」
「不公平の我慢すらできないの?世の中が公平と思ってたら大間違い」
「いちいち不公平を騒ぐのはさすがに見ててもめんどくさいよ?」

人は不公平を感じ取る能力がありますし、我慢できないのがデフォルです。
そして、人によって不公平感を抱く頻度や大きさこそ異なりますが、不公平を抱いた人を抑え込もうとする主張は科学的にも間違っています。見聞きしたくなければ自分でシャットアウトする方が賢明です。

まず、不公平を感じる心理がいかに正しいのか、公平を主張したくなる心理がいかに正しいかを説明します。

人は「世界は基本的に公正である」と信じている傾向があります。
そのため、自分が損をした場合でも「きっと何か理由がある」「自分が悪かったのかもしれない」と考え、不満を抑え込むことがあります。
しかし、不公平だと確信した場合には不満が現れやすいとされています。

よって、そもそも不公平を感じなければ「公平である」という心理が傷つかずにすみ、「仕方ないか」などの妥協や泣き寝入りをする事がまず起こらないことを説明できます。

メルビン・J・ラーナー(1966)
「Just World Hypothesis」

ラーナーの代表的な実験

実験内容
①参加者に「学習者」が電気ショックを受ける映像を見せた。
②その後、参加者に「学習者」について評価をさせた。

結果
すると、学習者が苦しむ様子を見た参加者の一部は「学習者は罰を受けるに値する」と考える傾向があった。

考察
これは「世界は公正である」という信念を守るために、被害者が不当に責められる心理が働くことを示している。

Lerner, M. J., & Simmons, C. H. (1966)
Observer’s reaction to the “innocent victim”: Compassion or rejection? Journal of Personality and Social Psychology, 4(2), 203-210.


人は「自分の努力や貢献に対して、正当な報酬を受け取るべき」と考える傾向がある事がわかっています。
このバランスが崩れた(不公平を感じた)とき、不満が生じやすい事も実験でわかっています。

実験例
従業員に異なる給与を支払う実験では、給与が低いと感じた人は「不公平だ」として不満を持ち、やる気を失った。
一方で、給与が低くても不公平と感じなかった場合不満を持たなかった。

このことから「公平性のバランスが崩れてないか?」と感じた瞬間に不満が生じる事が説明できます。

アダムス(1965)
「公平理論(Equity Theory)」

平等を求める心理は決して我儘でも図々しくもなく自然であり、このような心理があるからこそ不公平を感じ取れるんです。


脳のfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた研究では、公平な分配を受けたとき、人の報酬系(側坐核)が活性化することが判明されています。
逆に、不公平な扱いを受けると嫌悪感に関連する島皮質が活性化しました。

つまり
公平な扱いを受けると、脳が「報酬」として快感を感じるため、人は自然と公平性を求めるようになっていくことがわかっています。
不公平な状況では、それに対する嫌悪感が生じるのも生物的に正しい反応だとされています。

トリシア・ストリート(2008)
「The Neural Basis of Fairness Perception」

トリシア・ストリートの研究の詳細

fMRIを用いて、公平な分配と不公平な分配のときの脳の活動を調査。

結果
公平な分配を受けたとき: 報酬系(側坐核)が活性化し、快感が生じました。
不公平な扱いを受けたとき: 島皮質が活性化し、嫌悪感や不快感を抱きました。

この結果から、公平性を求める心理が生物学的にも根付いていることの証明となります。


Tabibnia, G., Satpute, A. B., & Lieberman, M. D. (2008)
The sunny side of fairness: Preference for fairness activates reward circuitry (and disregarding unfairness activates self-control circuitry). Psychological Science, 19(4), 339-347.

あなたが不公平を抱くのも主張するのも正しいです。
不公平だと感じる=相手が何かをしている可能性を疑い、これから紹介する感情が芽生えたら、情報を集めてみることで戦う余地があるかもしれません。

戦う余地がある感情・状況 エビデンスレベル3

「ムカつく」と感じた場合→法律で実はアウトな可能性

例えば、職場で「お前は使えないな」と言われたときやそのように解釈できる発言をされたとき、ただムカつくだけで済ませていませんか?

この例ではパワハラに該当する可能性があります。
既に常識となっていますが、日本ではパワハラ防止法が施行されており「人格を否定する発言」「不当な扱い」は違法とされるケースもあります。

こんな場合は要情報集め&証拠集め
  • 自分だけがターゲットにされている→差別の可能性もあります。(「言いやすい相手だ」と感じているから言ってくる)
  • 明らかに不当な扱いを受けている→こちらも差別もしくは搾取です。すぐに証拠を集めましょう。
  • その発言・行為が繰り返されている→人格否定や暴言は侮辱罪や暴行罪・脅迫罪になります

「理不尽だなぁ・・しょうがないけども・・」→消費者契約法や労働基準法をチェック

「退職したいのに会社が認めてくれない」
「買った商品が明らかに不良品なのに返品を断られた」

これらは、消費者契約法や労働基準法で守られている権利が侵害されている可能性があります。

こんな場合は要情報集め&証拠集め
  • 契約内容をよく見たら、不利な条件を押し付けられている→面倒でも雇用契約書などの書類をチェックし、法律を調べて照らし合わせてください。
  • 法律で定められた権利があるのに、それを無視されている→すぐに情報集めと証拠を確保してください。

「納得できない」→交渉の余地がある可能性

例えば
  • 賃貸関係
  • どちらにも非があるトラブル
こんな場合は要情報集め&証拠集め
  • 相手の主張が一方的→世間での相場を知れば不当な面を暴ける可能性があります。会社の規則や市場価値を調べたら、交渉できる可能性がある
  • 反論を受け付けず、感情論や根性論で丸め込もうとしてくる→法律を細かく調べてください。例えば仕事のミスによる責任も会社と折半すべきで、リスク管理の義務(例えば労働安全衛生法)などが会社には法律で定められています。
  • 「普通こうじゃないよな…でもみんな従ってるし…」→これ、社会的圧力による思考停止になっていることも。ブラック企業の違法行為などに当てはまります。

まとめ

「いやー・・泣き寝入りするしかないよこれは・・」

泣き寝入りの癖、つける必要はありませんよ。
知識を身につけることで戦えることもあります。
私が挙げた例で困っている人も少なくありません。

そもそも突破口があったり、相手がグレーなつもりで思いっきりブラックな事をしているパターンも少なくないんです。

あなたの得る知識が、泣き寝入りを1つでも多く防ぐとしたら学ぶ価値を感じますか?

知識を付けたうえで、泣き寝入りのほうが短期的には不満だけど長期的に見たら得策と感じたらそれもOKです。

まずは「ムカつく」「理不尽」「納得できない」と感じたときに

  • その感情の原因を整理する
  • 関連する法律や情報を調べる
  • 戦うための行動(交渉・相談・申請など)を考える

これだけで、あなたが負けない、損をしないための人生の選択肢は大きく広がります。

矢沙玖
矢沙玖

実際に私も戦った経験があります。

泣き寝入りせずめちゃくちゃ手間をかけこそしましたが、理不尽で不当な頭にくる会社に対し、大量の証拠を突き付けて正当な数十万を支払ってもらった経験もありますし、相手から口止めを申し出てきた経験もあります。決して勝ち自慢ではありません。

知ってて卑怯な事をする人間もいますし、知らずのうちに不当を強いている人間も組織もいます。

ですがそれら総じて法律は「知らなかった」で済まされません。

相手が「知らなかった」で済まされないような状況へ運べればいいですが、あなたが「え?こんな面まで法律によって守られてるはずなの?知らなかった!」だと、損をさせられ続けます。

ここまで読んでくださっているのも情報の一つです。

あなたを救う情報をひとつでも得られれば、どんな状況へ好転すると思いますか?

今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

『信じる心の科学: 公正世界仮説とは何か』メルビン・J・ラーナー

『社会心理学』エリオット・アロンソン

『学習性無力感―希望の心理学』マーティン・セリグマン

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