「都会は合わない。自分弱いなぁ・・」理由は科学的に証明されてます。~都会のストレスの正体~

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この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しています。元となる参考文献は記事内に掲載しています。(ショートブログ除く)

人生いろいろある上でこんな事を悩む人も大勢いらっしゃると思います。

  • 春から都会に行くか悩んでる人
  • 都会での暮らしを考えているが不安な人
  • 都会が今合わなくて苦しんでいる人
  • 田舎暮らしの経験がある人

実は都内の暮らしは、地方と違って様々なストレスがかかる仕組みにどうしてもなっています。

「都会のストレス?いきなり都会を問題視するつもりか?」
「都会になじめないのをそれっぽい理由で盾にすんなよ」
「じゃあ住めてる人はどう説明するの?」

と、様々な声があがりそうですが、実際の生活で苦しんでいる人そうでない人を混ぜ、苦しんでいない側の意見で押しつぶそうとするのは違います。

都会で暮らすことは利便性や情報の早さというメリットがある反面、人口の多さやその利便性から生じるデメリットを否定することはできません。

例えば、都会の空気を気にする人しない人がいるのも事実で、気にならない側の意見を通すのは他者を軽んじていると考えます。

では、都会ストレスと呼ばれるものにはどんなものがあるのでしょうか。
都会での暮らしについて悩んでいる方の参考になれば幸いです。

都会暮らしで実際に起きている例 エビデンスレベル3

「なんで都会を悪く言うような記事を書いてんの?個人が決めればよくない?」

まず、印象操作のために執筆しているわけでは決してありません。

都会で暮らす実態には、思い付きの挑戦や我慢をしていいほどの軽いリスクで済まないケースも多くあります。
今回のパターンはより多くの経験談や実例を知っておくべき内容です。

例えば、地方から都会へ稼ぐことを目的に貯金を使い果たすほどの覚悟で引っ越しをしたとして、これから記す都会ストレスによって「1年で帰った」「半年で帰った」「数か月で帰った」という話は珍しくありません。

また、都会で生じているストレスに気付かないまま身体を悪くしている例もあります。

私も経験があります。
環境臭、環境音、治安、交通量、などの生活環境が私に合わず、掛けた費用を取り戻す前にリタイアして結果的に大損をしました。

そもそもの費用も軽いものではありません。
地方から都会に超す場合、引っ越し費用、家賃など初期費用を含めれば40万ほどかかる事もあります。

これらの話の二の舞になってからでは遅いです。
私の場合は大損をしてもなんとかなりました。
ですが他の例では、お金を稼ぐために借金をして引っ越し結果的にメンタルを病んで仕事ができなくなり、帰る事も出来ず、借金の催促でメンタルがより悪化した話もあります。

都会へ引っ越して合わなかった例

具体的なデータはありませんが、都会での暮らしが合わなかったと感じる声を総合すると、このような結論に行きつくパターンが多かったです。

生活環境の変化に適応できない

都会の騒音や人混み、生活リズムの速さに適応できず、ストレスを感じる人がいます。
特に、自然環境に慣れ親しんだ人にとって、都会の環境は大きな負担となることがあります。

人間関係の希薄さ

都会では近所付き合いやコミュニティのつながりが希薄で、孤独感を感じる人もいます。希薄ならまだしも、他者を考えない自分勝手な行動をする人の割合も増えます。これは人口の問題だけではありません。
地方での密接な人間関係に慣れている人にとって、都会の人間関係の距離感はストレスとなることがあります。

元々都会暮らしでも合わなかった例

①東京都心で慢性的な睡眠不足に悩まされてる方の例
不眠症と診断されましたが、原因は不明のまま。
転職を機に郊外に引っ越したところ、急に睡眠の質が改善したため、原因は騒音(車や電車の音、人々のざわめき)だったと気づいた経験。


②新宿区にて毎朝軽い頭痛と倦怠感を感じてた方の例
病院で検査を受けても異常は見つからず、体質の問題かと諦めていました。
一時的に地方に滞在した際、症状が完全になくなり、原因が都会の大気汚染(排気ガスやPM2.5)だと判明しました。 


③慢性的にイライラが収まらない渋谷住みの方の例
休日の趣味を自然豊かな地へ出かける事を取り入れ、その先では気分が驚くほど軽くなり、それまでの不調が人混みや都会の雑踏に起因していたと気づきました。


④大阪での例
毎朝のように満員電車に乗り続け、ストレスを感じながらも「これが当たり前」と割り切っていたところ、休職が必要なほど体調を悪化させる事がありました。
その後、在宅勤務を開始すると症状が改善し、通勤ストレスが主因だったと判明しました。


⑤名古屋市での例
慢性的な疲労感に悩んでいたが、特に理由が分からないまま。
友人の家(田舎)に泊まった際、夜空が暗く、静かな環境で目覚めた翌朝は驚くほどリフレッシュできていたため、光害や騒音が原因だったことを知りました。


⑥六本木に住む方の例
他人の生活や成功を目にする機会が多く、自己肯定感の低下を感じていました。
休暇で地方の静かなエリアで過ごした際、他人の成功や失敗を見る機会が激減し、精神的な解放感を覚えたことから、都会の競争的な環境が心理的なストレスの原因だと気づきました。


矢沙玖
矢沙玖

元から都会暮らしではないですが、私の場合は②と③でした。

都会ストレスの正体 エビデンスレベル1

都会ストレスについては、科学的な研究や心理学的な観点から多くの知見があります。
都会での生活は多くの利便性を提供してくれますが、同時にさまざまなストレスを引き起こすことが明らかになっています。

騒音ストレス

都市部は交通や人々の活動が活発で、常に騒音が発生しています。
これがストレスの一因となることが証明されています。

平均で60デシベルの音が入ってくる環境に長期間滞在し、この60デシベルという音にさらされ続けるとコルチゾールがどんどん分泌されることがわかっています。

例えば、交通騒音や建設作業の音が長時間にわたって続くと、交感神経が過剰に活性化され、コルチゾールの分泌が増加します

さらに、夜間の騒音は、血圧の上昇や睡眠の質の低下、さらには心血管疾患のリスク増加とも関連しています。

Babisch, Wolfgang博士(ドイツの連邦環境庁(German Federal Environmental Agency))
Babisch W. “Stress hormones in noise research: a review” (Noise & Health, 2003)

パーソナルスペースの侵害

まず、いつどこに行っても大体誰かいます。

矢沙玖
矢沙玖

体験談ではありますが、静かな場所や一人になりたい時でも、人がしばらくいない場所はありません。

都市部では人が密集しているため、個人のパーソナルスペースが侵害されることが多いです。この過密感心理的な圧迫感や不安を引き起こします。
特に、公共交通機関での混雑や長時間の接触がストレスの原因となります。

都会の人口密度は非常に高く、これが脳の扁桃体過剰に刺激します。
扁桃体はストレスや不安を感じやすい部分で、都会ではこれが活発に働きやすくなります。
その結果、知らず知らずのうちに警戒モードを維持させ、リラックスできなくなります。

Meyer-Lindenberg, A., et al. “Neural mechanisms of urbanicity: Social stress and mental health.”
(Nature, 2011)
「電車使ったりましてや人の多い場所に来ておいてストレス?そんなの当たり前でしょ(笑)都会舐めすぎ」

と、言っている人々も無意識にストレスを蓄積している可能性があります。

「あの人だって我慢してるかもしれないのに君はそれを言うんだね」

耐えられる限度や捉え方は人それぞれで、こんな心無い言葉で釘を刺されたように感じる必要はありません。

また、耐えれるから優秀、劣っている。というのはありません。
得手不得手の話なだけであって、都会での生活になじめない事に個人の能力の話を持ち出すべきではありません。

パーソナルスペースの侵害により、精神的な不快感が増し、ストレス反応が高まることが研究で示されています。

The Hidden Dimension”(1966)
Edward T. Hall/INSERM(フランス国立健康医学研究所)

社会的な比較と競争

人が集まり、経済的な成功や社会的な地位を競い合う様子がより近くで見られる環境です。
この社会的な比較が、自己評価や自尊心に悪影響を与えることがあります。
SNSなどで他人の成功を見ていると、自己評価が低下し、ストレスが増加することが確認されていますが、それと近しい事が生じます。

競争意識や他者との比較は、心理的な負荷を増大させます。

SNS等による他者との比較が自己評価を低下させ、心理的ストレスを増加させることを実証しています。

Kross, E., et al. “Facebook use predicts declines in subjective well-being in young adults.” (PLoS One, 2013)

過剰な情報による情報過多

都会での生活は、常に新しい情報に晒される環境です。
これが脳に負担をかけ、過剰な情報処理によって精神的な疲労やストレスが蓄積します 。

特に、都市部のニュース、広告、SNS、交通情報などが脳に絶え間ない刺激を与え、注意力が散漫に精神的な疲れを引き起こすことが確認されています。

豊富な娯楽、店も情報にあたります。

過剰な情報刺激脳の注意力を消耗させ疲労やストレスを増加させることが認められています。

情報過多が脳に与える負荷と、その結果としての注意力低下やストレスが分析されたデータもあります。

The Distracted Mind: Ancient Brains in a High-Tech World”

自然との接触の不足

個人的にはこれが一番大きいです。

都市に住むと、自然との接触が少なくなりがちです。
自然環境との繋がりの低下が健康に悪影響を及ぼすことが研究で示されています。

自然環境に触れることはストレスを軽減し、リラックスを促進する効果があることが確認されています。

自然との接触がストレスを軽減する効果については、エコセラピーや環境心理学の分野で実証されています。

自然環境に触れることが健康や幸福感を向上させることが示唆されています。

White, M. P., et al. “Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing.” (Nature, 2019)

エコセラピーとは?

自然の中で過ごすことで心と体の健康を改善する療法です。
ストレス軽減やメンタル改善を目的とされます。

具体的には、森林浴ガーデニング登山が該当します。

Attention Restoration Theory(ART)を提唱し、人工的環境精神的疲労を引き起こすメカニズムも説明されています。

そのため、高層ビルやコンクリートジャングルに囲まれた生活はストレスを増大させ、幸福感を低下させる原因となる可能性があるといえます。

Stephen Kaplan博士(アメリカ、ミシガン大学)

治安の悪さからくる運動不足

治安の悪さと聞くと犯罪をイメージするかもしれませんが、道路交通を含むモラルの悪さも含まれます。

例えば、地方で女性が一人で出歩くことは遅い時間であれば推奨こそされませんが、都会と比べれば安全であることは明白です。

ところが都会となると、時間に限らず女性一人で出歩けば危険を感じざるを得ない場所が多いです。

つまり、気楽に運動ができない事を示します。
人によっては買い物へ出かける事も躊躇い、心配する声もあります。
買い物すら代行を頼むようになればなおさら運動不足になります。

もちろん男性でも安全度は地方と比べ大幅に落ちます。

都市部の治安やモラルの低下が運動習慣や健康に与える影響は、疫学や公衆衛生の研究で確認されています。

都市環境の安全性やデザインが運動不足と健康に及ぼす影響の調査もされています。

Sallis, J. F., et al. “The built environment and physical activity: A systematic review.” (The Lancet, 2016)

光による害

都市部では夜間の騒音のみならず、照明による明るさも地方とは大きく変わってきます。
このストレスフルな環境が睡眠の質に悪影響を与えます。

睡眠の質が低下すると、身体的および精神的な健康に多くの悪影響を及ぼし、ストレスを増加させる要因となります。

夜間の人工光や騒音が睡眠の質を低下させることは、多くの研究で証明されています。
夜間の光曝露メラトニンの分泌を抑制し、睡眠障害を引き起こすことを研究。

Dr. Charles A. Czeisler(ハーバード大学医学部)

まとめ

都会で暮らしていて「自分には合わないな」と感じたり、ストレスを抱えたりすることは少なくありません
「自分が弱い」と誤解をして自己否定をする人も少なくありません。

私自身も都会暮らしの中で何度も挫折感を味わい、自分を責めることがありました。
しかし実は、都会のストレスは科学的に説明できる現象であり、自分のせいではない事も今ではわかりました。

「今、都会での生活を検討している」
「今、都会での生活で精神的な苦労をしている」
「この情報を知り、都会が自分には合わないと感じた」

今一度自分の状況を見直すきっかけとなれば幸いです。

「都会での生活という選択肢が途絶えた!どうしてくれるんだ!」

途絶えたとすれば、あなたに都会があっていない可能性がある心が感じ取ってくれた証拠です。
振り出しに戻された、あるいは迷路に誘い込まれた気分にさせてしまう事を心苦しく思いますが、あなたに合う生活をきちんとあなた目線で探しなおすきっかけでもあります。

「どうやればそんなものが見つかるんだ?」

あなた自身が価値観を見つけ、心底望む生活のビジョンが明確にできれば見つかります。

簡単に書いていますが、世間で言われる常識という物が思考を妨げるため、簡単ではありません。

価値観と聞いて悩む方々も多いですが、今後価値観に関わる記事をお届けします。

今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

「ちょっと待った。問題なく都会で住めてる人の説明ができてないよ?」

そちらも別記事で取り上げます。

ざっくりお伝えすると

人によってストレス耐性環境への適応能力が、遺伝的・生物学的要因によって異なる事が理由であったり、人との接触や新しい刺激を楽しめる外交的な部分があったり、交通騒音人混みを脳が「嫌だし気になるけど重要ではない」と認識する場合がある点が絡んでいます。

この、人によって違う部分を科学的に見ていく記事を今後お届けします。

それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

『都会を出て暮らそうよ 移住のススメ』泉美木蘭

『過敏すぎる人のための快適暮らし術』イルセ・サン(訳 枇谷玲子)

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