「今の人はすぐパワハラって言うよな」この言葉で不快感を覚えるのは正解です。パワハラを軽視する人々は現実を知らないのかも。

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この記事のエビデンスレベルはです
この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しています。元となる参考文献は記事内に掲載しています。(ショートブログ除く)

私の記事にたどり着いた方々なら、これまでに何度も色々な発信を見聞きしたのではないでしょうか。

パワハラに苦しむ方々へ共感する動画や本
それを乗り越えるための経験談や科学的アドバイスをする方々

しかし、テレビやコメント欄、他のメディア、日常生活でこんな言葉を聞いたこともあるのではないでしょうか。

「今って何でもハラスメントにするよな。ただ我慢できないだけじゃないの?」
「全部ハラスメントにしてたら何も言えなくなるわ」
「またそうやってハラスメントって言うよね。世の中全部耳心地良いこと言ってくれるわけじゃないよ。人それぞれなんだからさ。もっと大人になりな」

確かに、ハラスメントに対し様々な法律が定められ厳しくなっています。
ですが、発言の自由や嫌味に打ち勝つ能力という観点ではこのような意見もわかりますし、こういった反対意見が無視されて良いわけではありません。

しかし世の中は「ハラスメントだ!」と主張できる人ばかりではありません。むしろ

「その通りだ・・自分がもっとしっかりしなきゃ、頑張らなきゃ、まだ弱いんだ」

と真に受けて必要以上に頑張ってしまったり、指摘した側の意図を100%どころか300%も重たく受け取ったことで過剰にストレスになり精神障害を引き起こした方々が数えきれないほど出てしまった事実があります。

「いや・・ちょっと言葉をかけただけで勝手に300%も重たく受け取って傷つかれても知らねぇよ。要領よく聞けばいいだけじゃん。」

それは無責任すぎます。
世の中色々な人間がいて、言葉一つの受け取り方も本当に人それぞれです。

社会的認知理論
人々が他者の行動や意図をどう解釈するかに関する理論の事です。
他人の発言をどう理解し、反応するかは、個人の社会的な背景や過去の経験に大きく依存します。
特に、感受性が高い人々は言葉を過剰に解釈する傾向があり、逆に、低感受性な人々は発言を気にしない場合が多いです。

Albert Bandura
Bandura (1986): “Social Foundations of Thought and Action: A Social Cognitive Theory”

事実、この記事を読んでくださる方の中には、ハラスメントに苦しみながらも発言できず、辛い経験をした過去をお持ちかもしれません。

その件数が増加傾向にあり世界でも問題として見られはじめ発言の自由打ち勝つ能力という話を超えて危険性が示唆されたから定められたんです。

「証拠あんの?」

過去の記事からの引用になりますが、あります。

パワハラが問題視された理由
一つの事柄を全ての人が耐えれるとは限らず、感受性も個人で異なります。
人によってはそれを溜めこみ、ストレスが蓄積され、発散や休憩が上手にできないケースもあります。
そうなると結果的に精神病を患う可能性があります。

社会進出の妨げや最悪の事態を懸念すべきと世界が解釈し、多くの研究がなされた結果、ハラスメント行動の問題を指摘するデータも出ています。

パワハラ防止が進んだ経緯
https://haken-no-mikata.com/blog/2394/

Harvey, SB, Joyce, S., Tan, L., Johnson, A., Nguyen, H., Modini, M., & Groth, M. (2014).
一般的な精神障害に対する職場介入: 系統的メタレビュー.心理医学, 44(4), 683–697.
Einarsen, S., Hoel, H., Zapf, D., & Cooper, CL (2020).
職場でのいじめと嫌がらせ:理論、研究、実践。CRC Press

Nielsen, MB, & Einarsen, S. (2018).

国際労働機関 (ILO)
仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶

慢性的なストレスは、うつ病、不安障害、そして身体の健康問題(例えば、高血圧や免疫機能の低下)を考えることができ、複数の研究で示されています。

また、研究ではストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されると、脳の構造の変化(海馬の縮小)や感情調整の低下につながる可能性が指摘されています。

Sapolsky, RM (2004).
「シマウマはなぜ潰瘍にならないのか: ストレス、ストレス関連疾患、および対処に関する最新ガイド

ニールセンとアイナーセン(2018)の研究は、職場でのいじめに対する反応が個人によって大きく異なることを示しています。

一部の人は比較的耐久性が低く、さらに感受性が高い人々は同じ出来事でもより強いストレスを感じる可能性があります。
これが、ハラスメントの影響を軽視できない理由の一つです。

職場でのいじめについてわかっていること、わかっていないこと、知っておくべきだったこと、知っておくことができたこと
文献の概要と今後の研究の課題。Aggression and Violent Behavior、42、71-83

職場でのいじめやハラスメントは、従業員のメンタルヘルスの低下だけでなく、生産性の低下、欠勤率の増加、早期退職など、企業全体に莫大な経済的コストを増加させることが確認されています。

Harvey, SB, et al. (2014). 一般的な精神障害に対する職場介入:系統的メタレビュー.
心理医学, 44(4), 683-697.

にも拘らずハラスメントと言われて強く否定する側は

  • 実際の被害者の声を理解しきる事が出来ないかする気がない
  • 過去に起きた悲しい事実を重く受け止められない共感力の低さ

を潜ませている可能性があり、悪く言えば

「自分は相手がどう思うかをいちいち考えるほど器用じゃない。態度を変える気はありません。あまり人のせいにしないでください」

と主張していると同義に感じ、他人を傷つけないために学ぶ事を放棄しているように感じます。

今では、発言に気を付けたり配慮ができる方々も増えてきました。
努力してもなかなか形にならずハラスメントになっても、学びを続ける方もいらっしゃるでしょう。

その流れとは逆に、ハラスメントを考慮しない。
つまり、他人の感受性を考慮しない姿勢を貫く発言や姿に、あなたはどう思うでしょうか。

今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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