不要な通知は切る!わかっててもやってませんよね?これ、太る事に繋がってます。後編

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    この記事は『前編・後編』の二部構成です。テーマに沿った情報を二回に分けてお届けするものになります。
この記事のエビデンスレベルはです
この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しています。元となる参考文献は記事内に掲載しています。(ショートブログ除く)

通知を切らないだけで太るのでしょうか。
通知が鳴るたびに体重が1グラムでも増えるのでしょうか。

ちょっと違います。

前編では、通知を切らない事でかかるストレスの数値や、集中がどれぐらい途切れるか?をお伝えしました。

ではそれらの数値が身体にどれぐらい負担になっているのでしょう。

通知で蓄積するストレスと身体への影響 エビデンスレベル1

ストレスが慢性的になる

通知を切らない選択肢を取り続けると、こんな事が起こります。

コルチゾールの持続的分泌

通知は断続的な外部ストレッサーとして機能することがわかっています。
これにより、コルチゾール(ストレスホルモン)断続的に分泌される状態が続きます。

コルチゾールの慢性的な分泌にはこんな危険があります。

  • 睡眠障害深い睡眠が妨げられる
  • 食欲の増加や肥満
  • 免疫力の低下
  • 記憶力や集中力の低下(海馬への影響)

もちろんこの他にも飲酒や喫煙、ゲームに没頭、課金、ギャンブルなど色々あります。

ストレスばかり感じたら【よく眠れない・なんとなく食べたくなる・なんか集中が続かない】になりやすいということです。
「あるあるかもなぁ」と思いませんか?

ストレスホルモンの分泌増加
通知があるときのコルチゾールレベルは、通知がない場合と比べて約20%高いという数字が挙げられました。

Harvard Business Review, 2018
慢性的な交感神経の活性化

通知音や振動による刺激は、交感神経を刺激します。
そうなることで闘争・逃走反応(Fight-or-Flight) を引き起こします。

これが頻繁に繰り返されると、副交感神経(リラックスするための機能の事です)正常に働かなくなってしまいます。

「ん?なんぞや?結局それでどうなるの?」

こうなります。

  • 高血圧心拍数の上昇
  • 消化器系の不調(胃腸の血流が減少する)
  • 心臓病脳卒中リスク増加
決断疲れの一部でもある

前編でもお伝えしましたが、決断疲れも体重に間接的に影響します。

通知がなると「反応する?Yes or No」をとっさにしますよね?

この小さな決断の積み重ねでも決断疲れを起こすことがわかっていて、重要な判断をするためのエネルギーを使ってしまうんです。

「わかったわかった。じゃあ決断疲れは結果的にどうなるの?」

こうなります。

  • 些細なことでイライラする
  • 重要な意思決定を先延ばしにする
  • 不健康な選択をしやすくなる(ジャンクフードを食べる、夜更かしする、夜食を取る等)

平均して1日のうち約2時間が「通知対応と集中の再構築」に費やされる。

RescueTime, 2020

約2時間も通知の対応をするかしないかの決断、集中すべきタスクに切り替える決断、切り替えに要するエネルギー。
通知によってエネルギーを多めに使わされているイメージがわかるでしょうか。

通知を切らない習慣が引き起こす身体への影響 エビデンスレベル2

さて、では通知によるストレスのせいで、身を持って体感することになる症状は何があるのでしょうか?

科学的に確認されている例を具体的に見ていきましょう

睡眠の質の悪化

当然ですが夜間の通知音や振動は、眠りを妨げますよね?
だけでなく、昼間の通知によるストレスが寝る前のリラックス状態を妨害することもわかっています。おやすみモードおすすめです

自律神経失調症

慢性的なストレスにより交感神経が優位になりすぎると、自律神経のバランスが崩れます。
その結果

  • 頭痛、肩こり
  • めまい、動悸
  • 倦怠感、集中力の低下

を引き起こすことがあります。

慢性炎症の悪化

高ストレス状態が続くと、炎症マーカー(CRPなど)が上昇し、身体の炎症反応が慢性化します。
これが心血管疾患自己免疫疾患の引き金となる可能性があります。

「よくわからん!炎症反応が慢性化?たとえば鼻炎も慢性化するってこと?」

一部正しいです。
そのような要所の話ではないんです。

慢性炎症とは?

まず、炎症についてお伝えする必要がありますね。

ブログの本題と外れるので大まかに説明します。

炎症って?

蚊に刺された。アレルギーで目をこすった。風邪のウィルスがのどに付いた。などの事が起こると、皮膚が赤く腫れますよね?
その状態を炎症と言います。

なぜ炎症が起こるの?

血液にある白血球が、私達の体に異変が起きた時に反応し、菌をやっつけるためにその場所へ駆けつけてくれるからです。
つまり白血球は、体の異変をすぐ発見して治してくれるお医者さんであり、異変を知らせるサイレンでもあります。

免疫システムってやつです。

ではそのサイレンがずっと鳴りっぱなしだったらどうでしょうか。
その音が邪魔で集中できなかったり、余計な負担がかかりますよね。
これが体の中で起きている状態の事を慢性炎症と呼ぶんです。

こうして体の中で炎症反応が長期間続くと、本来は助けてくれる免疫システムが逆に体を傷つける原因になることがあります。

慢性炎症が続くと、風邪のような軽いものだけでなく、心臓病糖尿病がん関節炎などの深刻な病気にかかりやすくなります。
そして一度病気になると、治りづらい場合もあります。

「じゃあ通知に限らずストレスってやばいね?」

そうです。つまり免疫システムもバグってしまって逆に体に毒になるんです。

全てのストレスを断つ必要こそありませんしそれは不可能です。
むしろ適度なストレスは必要ですが、身体に異常を起こしかねないほど過度なストレスなら取るべきではありません。
ましてや無駄なところで受けるストレスは削れるなら削ってしまうべきです。

かといってそれがわかってもすぐに行動ができるなら苦労しません。

なぜ通知を切れないのか? エビデンスレベル1

通知を切れている方はいいですが、通知を中々切れない方もいれば、あなたの周りで通知を切れない人もいるかもしれません。

いったい心では何が起きているのでしょうか。

習慣化のメカニズム

通知が「当たり前」になっている人にとって、通知を切ること自体が不安要因となります。
これは、通知を確認する行為が条件付けされた行動になっているためです。

解決策としては、通知を徐々に減らす「段階的なアプローチ」や、「通知を切ることのメリットを強調する自己暗示」が有効です。一気にやらずにちょっとずつですよ

自己コントロールの欠如

「通知を切る」は簡単なようで実は自己管理能力(Self-Regulation)が求められる行為なんです。
ストレスが続くと自己管理能力が低下し、結果として通知を切ることができない悪循環になってしまいます。

スマホ依存とFOMO(Fear of Missing Out)

そして、通知を切れない主な理由の一つがFOMO(取り残される恐怖)です。
通知を切ることで「重要な連絡を見逃すのでは・・」という不安を抱えるんです。

しかしその結果・・・


生産性低下の原因を追究する調査結果

従業員の50%以上が「通知の多さが仕事の妨げになっている」と回答

Gallup, 2021

特にSNSになってくると「他人が自分を必要としているかもしれない」「あの人からかも」という感覚に陥ります。

楽しくSNSしているつもりが、無意識にストレスを感じているんですね。

さらに、通知は「ランダム報酬効果(Variable Reward System)」を活用しており、通知が来るたびに脳内でドーパミン(快楽ホルモン)が分泌されます。
これはギャンブルに似た仕組みで、通知を確認することが習慣化しやすい原因となっています。

B. J. Fogg, 2002

まとめ

いかがでしたか?

「通知を切らない事で無意識なストレスが溜まるのか」
「確かに通知が無駄に来るとうざいかも」
「うざい事が続くと確かに何か食べる事もあるな」

通知を切らない事が太るとはこういう事です。
体型だけでなく睡眠に影響したり、イライラしやすかったりも科学的に出ています。

便利な反面、通知に踊らされるストレスを再認識することが健康を守る事にもつながります。

「もし無駄な通知を削り切ったら1日の通知が5回以下なら」
「もし通知さえ鳴らなければ集中が続いて試験の点数が上がるなら」
「通知を切って快眠ができるなら」

通知を切った方がお得だと思いませんか?

「いやまてまて、通知を切ったら逆に不安で眠れない仕事集中できないよ・・・

では、見逃さなければよかった・・と思う通知は今まで何度ありましたか?
1か月に、1週間に、1日に何回ありましたか?

そして、なんだかんだで見逃しても大損していないのではないでしょうか。

矢沙玖
矢沙玖

気になるあの人からの通知だとしても、寝てる間や仕事で放置したぐらいであなたの印象は普通は変わりません。

1回の通知を見逃したら損をするような娯楽ならそれは中々に酷な娯楽だと私は思います。

通知に踊らされる日々から抜け出し、健康的な判断ができる脳の状態になってくだされば幸いです。

それでは今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

『ストレスと健康心理学』スーザン・フィスケ

『自律神経が整う習慣』小林弘幸

『意志力の科学』ロイ・バウマイスター

『炎症を抑える食事』アンディ・ワイル

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