「寝起きめっちゃネガティブ・・」それは睡眠慣性によるものかもしれません。一時の感情に影響されないで。

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この数字はAI(ChatGPT)による情報源の分析結果と著者の評価を基に設定しています。元となる参考文献は記事内に掲載しています。(ショートブログ除く)
「寝起きに謎のネガティブ思考がぐるぐるする・・」

こんな経験ないでしょうか。
私はあります。

仕事の1日の流れ、そこで起こる対人、それらを一瞬で想像してしまい、めちゃめちゃ億劫になります。

「休みたいなぁ・・」「嫌だなぁ・・」「やめようかな・・」
「なんで自分こんな人生なんだろ・・」

ここまでネガティブになってしまう事だってあります。

「帰ったら趣味のこれが待ってると思えば・・・・・・・いや、あの趣味の何が楽しいんだ?結局どうせいつもの流れでああしてこうして・・あれ、まじで何が楽しいんだ?しょうもない気がしてきた・・」

このように、本来普段楽しんでいる事にすらネガティブが降りかかり、つまらなく感じる事もあります。
酷い時は自分の人生を否定することも。

しかし、これは意志の弱さや性格の問題ではなく、科学的な理由がありました。

睡眠慣性という脳の現象 エビデンスレベル2

この現象の正体は睡眠慣性と呼ばれるもの。

睡眠慣性

睡眠から覚醒した直後に感じる一時的な認知機能の低下や眠気のことを指します。
この現象は、特に深い睡眠から目覚めた際に顕著であり、脳が完全に覚醒状態に移行するまでに時間がかかるためと考えられています。

具体的なメカニズムとしては、睡眠中、特に、深い睡眠時には脳の活動が低下し、代謝も抑制されています。
目覚めた直後、これらの機能が急速に回復する必要がありますが、その過程で一時的に認知機能や注意力が低下することが知られています。
この状態は通常、30分以内に解消されますが、場合によっては2時間程度続くこともあります。

Nathaniel Kleitman(1963)

ハーバード大学医学部の研究

睡眠慣性が最初の30分間に最も強く、その後1〜2時間で解消されることを発見。
深い睡眠から目覚めた場合では、より強い睡眠慣性が生じることを明らかにしました。

(Achille Barbéni, Harvard Medical School).1999

起きた直後は、頭が起きるまで時間がかかります。
その起きるまでの間は眠気が残っていたり、認知機能が低下しているという意味です。
認知機能の低下というのは、記憶力や判断力、言語理解能力、論理的思考などの認知機能が低下している状態です。
要するに、考える力が鈍くなっている状態を指します。

しかも、深い眠りの状態から起きるとそれがより強く出てしまうってことです。

睡眠不足の影響

さらに、睡眠不足の状態が睡眠慣性を悪化させることもわかっています。
そのため、宇宙飛行士のパフォーマンス維持のため短時間仮眠(パワーナップ)の有効性が研究で明らかになりました

『Nick C. Kraghs らによる NASA の研究(2004)』

睡眠慣性を軽減する方法

適切な睡眠時間の確保や、起床後すぐに明るい光を浴びる軽い運動を行うなどが効果的とされています。

研究でも、睡眠慣性の影響を軽減する方法として「明るい光を浴びる」「軽い運動をする」などの対策が有効であることを確認されました。

そして、睡眠慣性の強さには個人差があり睡眠サイクルや起床時の環境が影響することも示されています。

(Barbara Strolley, University of Montreal)2019

自分の体にとって科学的に見ても正しい睡眠時間を取り、起きたら日の光を浴びたり、ストレッチなどで睡眠慣性を和らげることが可能だという事です。

ネガティブになる事があるのは間違いないですが、誰しも同じぐらいのネガティブになるわけではない。ということです。

まとめ

目覚めた瞬間に浮かぶネガティブな考えは、本当の自分の思考ではないかもしれません。
それは、脳が完全に起きていないことによる認知機能の低下から、論理的思考が欠けてしまい、ポジティブな考え方ができない事が挙げられるからです。

「つまらないなぁ、嫌だなぁ」という感情だけが認識できるから、あたかもそのネガティブが本当かのように錯覚しているかもしれないんです。

ポジティブに考える機能が抑えられている不公平な状態で抱く想像は、果たして本当に本物でしょうか?

時間が経てばポジティブな自分が戻ってくる事は科学的にも証明されています。
寝起きの感情を真に受けず「こんなこと考えてる自分はつまらない人間だ」自己否定するわけでもなく「今は脳がまだ寝てるだけ」と優しく自分をフォローしてみてはどうでしょうか。

今回はここまでになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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